尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

水枕

2007年04月30日 23時18分47秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「水枕」


自分におぼれましたね


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音楽

2007年04月30日 23時09分07秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「音楽」


音楽のようではない
風の吹き方は
あるのだろうか

風のようではない
息のしかたは
あるのだろうか

息のようではない
音楽の鳴り方は
あるのだろうか




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

流れ星

2007年04月30日 23時03分34秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集

「流れ星」


夜を
ちくり
銀の針が走った
またちくり
金の針が走った

若者が
今夜も
どこかで
そんな恋をしている

糸もないのに




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽屋裏

2007年04月30日 22時50分38秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
どんなものにも
裏があるそうです
たとえば空を
裏返せば
空の楽屋裏
とても寒いそうです
地球を裏返せば
地球の楽屋裏
とても熱いそうです
人間を裏返せば
人間の楽屋裏
とても怖いそうです


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蝶の飛行

2007年04月29日 18時11分57秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「蝶の飛行」


どんな種類の
蝶々も
鬱の病です
広すぎる
空を背負って


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2007年04月29日 13時15分45秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「山」


神などいないと
言い切って
生きてきた人々
日が暮れてくると
後ろの山が
こわい

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お七たち

2007年04月29日 13時11分08秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「お七たち」


カンカンと
男達に
半鐘を打てとばかり
尖った乳房で
白のブラウス突きながら
お七たち
首をかしげて
子供の唄を
大合唱だ

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

脅迫者

2007年04月29日 13時07分51秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「脅迫者」


言葉を奪うものの名は
どいつもこいつも
「恐怖」です

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

祈り

2007年04月29日 13時06分19秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集

「祈り」


願うことではない
黙らせることである
ほんの一瞬
周囲の喧騒を
そして誰よりも
お前を!


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

旅路

2007年04月29日 13時01分21秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「旅路」


カエサルのものは
ひとつひと
カエサルに返してゆくと
カエサルのものでない
唯一のものが残る
それこそわたしの命
と呼ぶべきものだが
それを
カエサルではないものに
返す

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

出帆

2007年04月29日 12時54分16秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集


「出帆」


わたしという帆をあげ
今日という風をはらむ

限りない紺碧を
傷のような
白い軌跡を曳いて


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パントマイム

2007年04月29日 12時43分50秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「パントマイム」


あなたは
厚いガラスを
指でトントンさせ
僕を気付かせてから
パントマイムで
名前を
呼んでくれたね

まるで
名付けるように

あなたは
ガラスの向こう
思いがけず
呼ばれただけで
涙ぐむ男を
愛してしまった


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

改行

2007年04月29日 12時35分11秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「改行」


トンボの飛行のように
ひゅいひゅいと

遠い雲にまばたく稲光のように
カピカピッと

橋に降る広重の雨のように
ザザ、ザーと

原稿用紙の上では
勇敢に改行を続けたが

改行できずに
たたずんでいる
少年の日の
まっ青なあの一行


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほんとうは

2007年04月29日 12時29分51秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「ほんとうは」


ほんとうのこと
言ってみるね
人間はみんな
えらそうに
自分のふりをしている

犬じゃない
と言っている
石じゃない
と言っている
お化けじゃない
と言っている
とにかく
偉いんだ
と言っている

ほんとうは
自分が誰だかわからないから


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜の犬

2007年04月29日 12時10分45秒 | 詩集「カメラオブスキュラ」候補集
「夜の犬」


流れ星が来ると
しっぽをふる

夜は
なんと胴の長い
犬だこと

天の川を
ふっている

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする