すれっからし

マッチを擦ると
あなたが浮かぶ
マッチを擦ると
あなたが浮かぶ
マッチを擦ると
あなたが浮かぶ

フォトポエム「パラボラアンテナ」

「パラボラアンテナ」


光る海に向かい
今が今であることに
言葉を失った少年は
パラボラアンテナのごとく
身を反らし陽を浴びて
野鳥のような
一声を発する

目覚めた
想い出たちは
人よも先に飛び立ち
人よりも早く
時の海を
渡ってゆくだろう

明日という対岸へ
私たちを待つために

神戸ルミナリエⅡ

神戸ルミナリエ

詩「焔」

人々を威嚇してやまない高層ビル群が
たとえ巨大な
未来の墓標に見えることがあるとしても

瞼を閉じるとわかる
わたしは一つの焔であると
触れる事さえなかったけれど
かつては天を目指した焔であると

瞼を閉じるとわかる
人影が通り過ぎると
今なおかすかに揺れる焔であると

私を閉じるとわかる
知らないあなたを
恋して揺れた焔であると

フォトポエム「夜の鳥、夜の木」

「夜の鳥、夜の木」


鳥たちの中には
戻ることはないだろう
鳥たちの言葉を
理解することはないだろう
私はいま
根のある木として立つのである
歌う鳥であることに意味があるのではない
押し黙る木であることに意味があるのではない
暗号を送り続ける星の下
鳥と木であることに意味を
かろうじて見出すのである

深い夜には

フォトポエム「それは光であろうか、影であろうか？」

「表と裏を」


人が選びうる最善は
存在するか
存在しないかではない
光であるか
影であるかである
つまり
君の表と裏を

詩人の背中

今日、つまり
アウシュビッツや広島のあと
詩人が夜な夜な机に向かい
書かれてゆくもののすべては
もはや詩ではありえないだろう
それでも詩ということばの方法に
希望を託すとするならば
詩人の背中にあって
詩のようなものを書かせ
励ます大きな手を
「詩」と呼ぶべきだ

フォトポエム『夢の終わり』

　　　「夢の終わり」


人々の嘆きは尽きないー
夢というものは
いつも終わってしまう
否、ほんとうの夢というものは
始めっから見終わってしまっているものだ

明け方
見知らぬあなたの横顔

（二十年を刺すこともなく
　刺されることもなく
　過ぎ越せる人はいないであろうに）

その頬のすべらかに無傷な
白いほほ笑みのように

夜の絶景写真「ウオールタベスリー・石の滝」

夜の絶景写真「イブのウオールタベスリーⅡ」

夜の絶景写真「イブのウオールタベスリー」

夜の絶景？写真「羽曳山バス停」

最寄りのバス停です。右横隣りにお地蔵様とお稲荷様とが
なかよく並んでいます。
羽曳山の「曳」の電飾がつかないのは御愛嬌です。
ところで、宙に浮いているのは本物のお月さまです。

回転

目を閉じれば
地平のかなた
日と月と星座は
激しく回る独楽の
虹の模様のように流れ流れ
また流れ
ついに日も月も星座も
滅するのではないか
生まれてはじめてする
キスのあいだに

夜の絶景写真「リック羽曳野キャンドルナイト」

羽曳野市の中央図書館のあるリック羽曳野という市民施設です。
本年は建物のホールに空中ツリーができたせいか、広場の真ん中にある大きなツリーに電飾はされないようです。そのためか、キャンドルが映えず、ちょっと残念です。