写真「幽霊」

　幽霊


すべてが懐かしい日に
わたしは
幽霊ではなくて
誰であることができるのだろうか

夕暮れの山脈は
背中ではないのか
失われた都市
その記憶の

写真詩「アリス、走りなさい」

「アリス、走りなさい」

時計のおじさんが
やってくる
都会のアリス、走りなさい
影よりも早く


　（天王寺公園・植物園にて）

写真「鳩よ」

写真詩「男と女」

鳥ではない
ジョット機でもない
しかし
いつかは飛び立つことを知っているのだ
コンクリートをドラムにする
その急ぎかたにおいて

男と
女は
時の滑走路を
ハイヒールをバチにして

写真詩「時空の広場、父さん…」

（ＪＲ大阪駅・時空の広場にて）


「時空の広場、父さん…」


父さん、むかしは
みんなこんなだったよ
息子よウソをつくでない
お前は生まれてもいなかった

みんななんてまぼろし

花の見る夢ような
逃げた母のような
ほらほら
プラットホームを
滑走路にして
行きかうひとのような

父さん
それでも
みんなみんな
優しかったよ

詩「タイヤの来歴」

タイヤをヤイタ
このケッタイなタイヤ
しかしタイヤはタイヤである
しかも
リタイヤしたタイヤである
そしてタイヤは
輝くダイヤではない
優しいマリヤでもない
枯れたダイヤでもない
―というお前はダレヤ？
ワイヤ！

詩「プラトーン」

「プラトーン」


朝、小鳥のさえずりが
獣たちや木々の
昨日の眠りから
今日への
目醒へと促すように


地上に
生まれたその日から
思い出したい思い出が
あなたにもあるだろう

思い出せぬ限り
今日という一日が
まだ夢のうちにあるような
とびきり美しい
しかし怖くもあるような

生まれる
一日前の
その思い出

あの頃チャンネル(2010年06月06日～2010年06月12日)

あの頃チャンネル(2010年06月06日～2010年06月12日)

写真「家島にて」

写真「焔Ⅱ」

写真「蔵」

写真「焔」

2013.6.6撮影

詩「初恋」

「初恋」

それは
昨日のことではない
十年前のことではない
二十年前のことでもない

明日のことである
いつまでも
それは
きみのことは

写真「初恋」

写真は「光り」につきます。(笑)

前回の写真をトリミングしてみました。

写真「少年よ、鐘を鳴らせ」

2013.6.2撮影　長居公園植物園