尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

「運命」

2016年03月31日 16時34分04秒 | 2016.4より新作

「運命」


運命を奏でるのに
オーケストラはいらない

お店の野菜のように
陽だまりになかよく
ならんでいること

じゃがいもともとキュウリ
陽だまりに
うつらうつら

お客の手が伸びてきたら
これって運命ねって





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めるへん

2016年03月31日 10時10分18秒 | 2016.4より新作

日ごと
たとえばまばゆい
スクランブルの交差点で
見つかるわけない
捜し物
おとひめ

夜ごと
たとえば冷えた
夢の中の電話ボックスで
見つかるわけない
捜し物
たろう










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「神々の犬、そして、待てと」

2016年03月30日 16時08分51秒 | 2016.4より新作

埃の舞う
明るい玄関
わたしは犬ではあるが
神々の留守を預かっている

彼はおっしゃったのである
人を信じるよりは
神を信じる方が
はるかに容易だろうと
人とともに
そして待て、と
千年

人の気配に鼻を鳴らし
首をかきながら
祈りの言葉はとうに失われたけれど
かわりに
無駄吠えなどを楽しみながら
そして待て、と
万年

何を待っていたのか
忘れたころ
わたしは
寄ってくる
人々に言った
そして待て、と

百万年

かつて
私は神の犬であったが
いまは犬の神である

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しかめっつら

2016年03月30日 15時58分07秒 | 2016.4より新作


詩と言葉は
ほんとうは仲がわるい

へたな詩のなかでは
言葉は上機嫌

よい詩では
しかめっ面

ほんとうの詩はことばの
墓場

詩集は
詩人の墓場

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小さなわたし

2016年03月30日 15時14分51秒 | 2016.4より新作
「小さなわたし」


ゆっくり
やさしく閉じるとき
上目蓋と下目蓋の
はさむもの
ゆっくり
やさしく閉じるとき
上唇と下唇の
はさむもの
それは
とても小さなわたし

目蓋と唇を
ぱっと開くとき
シャボン玉のように
空に破裂してゆくもの
それは
生まれなかった
とても小さなわたし

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立ちつくす

2016年03月30日 14時17分49秒 | 2016.4より新作
時間はひとに言われてきたように
川のように流れているものだろうか
そこに立ちつくしているもののことではないか
川の中につまり歴史の中に

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2016年03月30日 13時51分38秒 | 2016.4より新作
義理の兄のお骨がきた。
妹にあたる家内が
なれないお経をあげた。
わるさの猫も妙に神妙にきいていた。
へたくそな般若心経が終わったら
部屋のなかが妙に明るくなった。

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惑星直列

2016年03月30日 01時04分55秒 | 2016.4より新作
はじめのはじめ

その一撃から
約束されていた
惑星たちの直列する瞬間
その悲しみは
感じうるものではあるが
ひとのものではい

未来のひとよ
神ではないおだから
空しいというな
顎をあげてはいと答えよ
すべての始まりの
あの一撃を
思い出すために


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新作の詩と写真をこれからアップしていきます。

2016年03月29日 14時09分24秒 | 2016.4より新作

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