尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

詩「玉手箱」

2012年01月28日 23時18分06秒 | 新詩集


思いだしてはいけない
木でできていた教室を
訪ねてはいけない
木でできていた教室を
悲しんではいけない
木でできていた教室を

死ぬまで
黙っていよう
自分に

兎のような無邪気な教室で
ひとりの白い裸と
カミソリと
笑い声につつまれて
白い煙もなく
あっという間に
僕らは老いてしまったことを

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「化石」

2012年01月27日 01時09分40秒 | フォトポエム
初めて見るのにもかかわらず
懐かしくない化石はないだろう
いつもよりとがった唇と
硬い顔で僕らは
シーラカンスのように笑うのだ

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詩「隠れ家」

2012年01月27日 00時35分31秒 | 詩の習作
詩は神の最後の隠れ家

わたしから隠すのです
わたしのために

誰にも通じない言葉で
人でなしの文法で

一日中
蟻を見ていたことがありますか?

つぶそうとすると
神にも等しい指に向かってくる
この蟻だけは
信じれると思ったことはないですか?

世界で一番孤独な男を
知っております

この詩を理解するならば
あなたは二度と
嘘をつけません


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詩「TOKEI}

2012年01月24日 12時53分52秒 | 詩の習作
わたしが時計です
まるで来るはずのない
誰かを待っているかのように
ずっと数えています
心臓のリズムで
ほんとうは
増えることもなく
減ることもないものを

あなたが時計です
何を数えているのでしょうか
ただ数えています
あなたの自己証明です
数えきれないものを
こま切れにして
たとえば
永遠を


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フォトポエム「時計」

2012年01月21日 00時56分01秒 | フォトポエム
わたしが時計です
まるで
来るはずのない
誰かを待っているかのように
指折り
ずっと数えています

あなたが時計です
何を数えているのでしょうか
ただ数えています
こま切れにして
数えきれないものを
自分自身を


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フォトポエム「道しるべ」

2012年01月21日 00時27分11秒 | フォトポエム
たとえ矢印がついていなくても
苦しいとき
無言で揺れていたものが
道しるべだったのだと
ずっとあとでわかる

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写真「探検家」

2012年01月18日 23時54分12秒 | 尾崎まことの「写真館」

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詩「帰郷」

2012年01月18日 23時28分41秒 | 詩の習作
旅ではない
人生は帰郷である
夜の海をわたり
朝目覚めあると
今日は
今日への帰郷である

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フォトポエム「飛翔」

2012年01月15日 23時45分07秒 | フォトポエム
はじめて蝶を見た日
彼女は黙っているけど
きっと昔はおしゃべりだった
と子供なら考える
それから肩をぴくっとさせて
僕はきっと飛びまわっていた
と子供は思いだす

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真夜中の筒

2012年01月14日 00時19分49秒 | 詩の習作
屋根裏を
木枯らしが鳴らしております

わたしは
寝返りをうって
わたしの筒を
揺すります
占いではありません
わずかの破片
思い出の
万華鏡

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詩「赤ん坊」

2012年01月12日 01時36分17秒 | 詩の習作
生まれたのではない
母よ
生き返った、と言いなさい
でないと
あんなに真っ赤に泣くものか
石の地蔵に似たものが

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あの頃チャンネル(2011年01月09日~2011年01月15日)

2012年01月12日 00時52分23秒 | 新詩集
あの頃チャンネル(2011年01月09日~2011年01月15日)

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「窓辺」

2012年01月06日 22時02分02秒 | フォト日記
去年の四月から放送大学で勉強しています。
久しぶりに今日の10時に天王寺にあるセンターに行ってきました。
大学院の科目も、単位は取れなくても、CDやDVDで聴講できるみたいです。

さて、この写真はロビーに飾ってあったお花を撮ったものです。
窓からの逆光に透き通る彼女と一緒に幸せなひと時でした。

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夜景写真「海遊館イルミネーション」

2012年01月04日 22時47分31秒 | 尾崎まことの「写真館」
本年の撮り初めです。
いつも何かの奥のその向こうの、誰かに出会いたい、と思ってシャッターを切っています。
また写真が自己表現であると思ったことはありません。
自分をとおりながら、突き抜けていくものであることは、そのつどシャッター音が証明しています。

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フォトポエム「昆虫採集」

2012年01月01日 00時46分23秒 | フォトポエム
背負うもののない背中が重い

無口がのびて
管になった
つまり
自分を
蝶だとおもう

飛ぶのがへただ

愛しているのは人ではなくて
花である

蜜を吸うと花は
体をゆすって笑う
そのあいだ
本棚も辞書も
ことばを
忘れている

明日があることすら
忘れている

人差し指と
親指が来て
背中がつままれるまでのあいだ
光に酔っぱらった
蝶でいたい

ひとの影に
ちょっとおびえて
管をふりまわす

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