尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

写真・詩「磐(いわ)よ」

2014年03月29日 01時27分56秒 | フォトポエム


磐よ
何故叫びださないのだ
空の蒼い沈黙に

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写真・詩「ハルカス夢想―千年の孤独」

2014年03月18日 09時08分55秒 | フォトポエム
「千年の孤独」

あなたがもしあと百年生き延びたら
仏になるかもしれない
もう千年生き延びなければならないなら
悪魔になるだろうだろう

しかし、千年といえ瞬(まばた)きである

神よ
明滅する宇宙を身体として
永遠を生きなければならないあなたは
誰であることができるのか?

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写真・詩「最初のエヴァよ」

2014年03月15日 09時44分17秒 | フォトポエム
最初のエヴァよ
わたしたちが
ほんとうに愛し始めたのは
知恵の木の実を食べお互いの裸を見つめ
死ぬことを知ってからではなかったか
永遠よりもむしろ
瞬間の愛を選んだのではなかったか
最後のエヴァよ

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写真・詩「鏡像幻想―たまたまという現象について」

2014年03月13日 22時48分16秒 | フォトポエム
「鏡像幻想」


それはたまたまのことだった
梅田の陸橋をなつかしいおばさんが自転車を運んでいた
それだけのことなのに
あるいはそれだけのことだから
僕は仰天して目をまわした
ぼくがたまたまのぼくだったと
そのことだけで
目をまわしたのだった
理解できる?
それは、たまたまってことだよ!

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フォトポエム「瞬間の愛」

2014年02月16日 22時13分42秒 | フォトポエム
最後のエバへ。
たぶん僕たちの始祖であるアダムとエバは知恵の木の実を食べて知ったのだ。
永遠が地獄の別名であることを。そして選んだのだ、瞬間の愛を。

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フォトポエム「ほんとうのことは」

2014年01月29日 01時23分37秒 | フォトポエム

ほんとうのことは
なにがおこっても
なにもおこらなかったというような
そのとき
というものがある

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フォトポエム「おんなが走る」

2014年01月29日 01時12分22秒 | フォトポエム
馬が走ると
風がまき起こるだろう
しかし
女が走ると
世界はだまり
風は息をのむ
つまり
大地にとって
女は馬ではない

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レンズベビーで、詩「カメラ・オブスキュラ」

2014年01月09日 00時03分30秒 | フォトポエム
このレンズを使うと、じぶんというものが「箱」になったと感じます。
写真が発明された以降、人間はカメラ・オブスキュラになったんだよ。
抒情詩、っていうけど、抒情とは、実は生身の「情」の喪失だったんだね。



  カメラ・オブスキュラ

僕のからだには
ちいさな穴
が一つ空いていて
虹色の光
さしこんでいる

詩は「何か」ではなく
「誰か」である
新しい抒情へ
詩の」ルネサンス



   (詩集『カメラ・オブスキュラ』帯より)

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フォトポエム「にゃんこの魂」

2013年12月18日 00時24分49秒 | フォトポエム
「にゃんこの魂」

あったかい
やわらい
けむくじゃらの
きみの
たましい

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フォトポエム「亀之助 」

2013年05月04日 00時18分22秒 | フォトポエム
無意味に耐えなければならない
意味に
無意味に答える
亀之助
お前さんは
カメラ・オブスキュラ

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フォトポエム「猫の目」

2012年10月04日 21時27分14秒 | フォトポエム
君に見つめられると
思いだしそうになる

君に見つめられると
泣きそうになる

そういうふうに
見ていたことがある


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フォトポエム「風」

2012年09月27日 01時27分32秒 | フォトポエム
ただ 風が風であるために
数十億年のあいだ
地球よりも早く走りつづけているように

ただ 少年が少年であるために
今日もグランドを
悲しみよりも早く駆けているように

わたしの詩よ 走れ
詩であるために
言葉の意味よりも早く

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フォトポエム「百年のライオン」

2012年09月08日 00時18分18秒 | フォトポエム
「百年のライオン」

百年、ライオンをやってごらんなさい。
もう傷だらけですとも。
満腹の回数分。




(2012.9.7 天王寺公園)

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フォトポエム「死んだってかまわねえ」

2012年09月02日 00時23分50秒 | フォトポエム
「死んだってかまわねえ」



顔中花粉だらけ…
死んだってかまわねえ

おいらも
狂ったことが
あったっけ

あんたに

虫だったころ
虫けらだと
思ってたころ

花に

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フォトポエム「われもかれも…」

2012年08月24日 00時19分35秒 | フォトポエム
  「われもかれも…」



われも
かれも
ひと夏の夢を
見たのである

夏花のあこがれる
その夢を
ほてりのままに
身をほろぼすまでに



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