尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

写真「海の道、魚道」

2011年03月30日 23時49分15秒 | 尾崎まことの「写真館」

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写真「南森町・ニッシンベーカリー」

2011年03月30日 21時29分52秒 | フォト日記
地下鉄南森町駅三号出口を上がるとすぐ向かいにある「ニッシンベーカリー」さんです。日本で一番長い商店街だ、といわれている天神橋商店街のなかの一軒です。朝日新聞にも紹介されたこともあるそうで、特に「もちパン」?はもちもちした食感で、とても美味しいです。
ショウウインドウにならんでいるパンは、まるで夕陽に焦がされているようです。その香ばしい風景に、僕はうっとりしてしまいます。

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詩「パントマイムの花束」

2011年03月29日 13時39分08秒 | 新詩集
 「パントマイムの花束」



果てしなく遠く
美しい夢を見るために
明かりを消して まぶたを閉じて
さらにひとには
どれほどの深い暗闇が
必要であったのだろうか

今ここという国に
新しく目覚めるために
瞼をひらき窓を開け
さらにひとには
どれほどのまぶしい忘却が
必要であったのだろうか

海のような暗闇と
空のような忘却と

汗を撒き散らす激しい
生の舞踏の終わりに
世界がしんと息を呑むその瞬間
パントマイムで
そっと差し出すバラの花束
30センチの痛い希望

ひとが
あなたのために
とびきり上手に歌うためには
ひとが
あなたのために
とびきり上手に踊るためには

海のような暗闇と
空のような忘却と
ああ ひとよ
胸に抱える
見えないバラよ

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詩「遺失物」

2011年03月29日 00時16分43秒 | 詩の習作
プラットを轟音をたてて
過ぎ去っていく
急行列車の窓の中に

そのたびに浦島太郎は
首をふって見送って

今年はなんだか
もう探さなくてもよいのだ
髪が白くなって

喜びも悲しみも高速で
通りすぎていって

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写真「石切」

2011年03月29日 00時06分59秒 | 尾崎まことの「写真館」

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詩「椅子」

2011年03月28日 09時06分03秒 | 詩の習作
「椅子」

神様にしか見えないだろうけど
見て
お客の来なくなったカフェ
陽だまりには
白いテーブルと
二つの椅子

帰ってきたよ
遠い季節が帰ってきたよ

思い出が二つ腰掛けている
ほら風が吹くと
砂ぼこりだって立つ
木漏れ日が踊っている

あなたを
思い出すと
生きてはいけない時代が
ずっとあった

けれど
帰ってきたよ
やさしい物語になって
地球を一周して
風のように
帰ってきたよ

ほら
砂ぼこりだって立つ
木漏れ日が踊っている
陽だまりには
白いテーブルと
二つの椅

もう大丈夫
思い出しても大丈夫


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短詩「サクラ」

2011年03月27日 00時08分20秒 | 短詩集
「サクラ」


サクラサク
ミヤコノサクラノ
ソノクラサ

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詩「真珠貝の詩(うた)」

2011年03月24日 23時53分28秒 | 新詩集
「真珠貝の詩」


おおむかし
誰かがわたしを
投げ入れたのでしょうか
わたしは
永遠を聞いている耳の形で
小石のように
深い海の底に置かれています

シュルラシュルラ リルリル
シュルラシュルラ リルリル

遠い呼吸のような潮騒の音に
耳を澄ませています
果てしない音楽と
果てしない夜と
果てしない夢と
それでもあなたの淡い光を
感じることがあります

気持ちまで果てしなく
広がってゆくその真んなかに
たった一つ
痛みとともに結晶していく 
小さな星があるのです

シュルラシュルラ リルリルリル
シュルラシュルラ リルリルリル

お月さま あなたは 
こんな形じゃないかしら




(むかし作った詩を書きなおしました。)

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写真「スプリング ハズ カム」

2011年03月16日 00時11分39秒 | 尾崎まことの「写真館」


小さな肩を並べて帰る夜道はこんなに暗いのに
その声音のなんと明るいことだろう
ああ僕は信ずる
きみ達の希望こそかなえられるべきだ
覚えたばかりの英語読本(リーダア)を
声たからかに暗唱せよ
スプリング ハズ カム
ウインタア イズ オオバア

(杉山平一詩集『夜学生』より「夜学生」抜粋)

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詩「その指のこと」

2011年03月10日 01時01分53秒 | 詩の習作
この寂しさは決して
人恋し
ではない
もの心ついた頃から
知っていた

あっちのお家(うち)に
こっちのお家に
灯がともってゆく
この夕暮れの寂しさ

わたしは
生まれたのではない
置かれたのである
ひとつの蒼い林檎として
このお家の中に

子供だけが知っている
果実のような
ヒミツ

その指のこと

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フォトポエム「春」

2011年03月08日 00時21分20秒 | 詩の習作


   「春」


ほんとうのランナーは
見えない時なのだろうか

りレーのように
梅が咲き
桃が咲き
桜が咲く

花たちが咲きはじめると
歌うように
願う
わたしも新しく
生きたい

花たちが散りはじめると
手紙を書くように
思い出す
私は何度も
新しくされた

花たちの世界のただなかで

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写真「兄弟」

2011年03月07日 23時45分07秒 | 尾崎まことの「写真館」

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写真「のどちんこが見えるわ!」

2011年03月07日 09時21分58秒 | 尾崎まことの「写真館」

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写真「おいしいウメ」

2011年03月06日 23時44分38秒 | 尾崎まことの「写真館」

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詩「ジャイアント」

2011年03月01日 23時39分28秒 | 新詩集
先ほどから
見えているのは
なだらかな
きみの背中であって
きみに流れているはずの小川を
誰だって一度も見たことはない
そのせせらぎを聞いたことはない

水浴びをする小鳥たちも
僕は永遠に見ることはないだろう
きみの中のたくさんの花も蝶も太陽も
少女のころの秘密のノートも
何一つ見ることはできないのだ

(不思議なことにこの明るい国に人の気配はない)

だとしたら神でもない僕は
きみの領土のどの方角から
やって来ることができるのだろうか?

小鳥や太陽が僕だというわけではない
奇妙な形の雲が僕だというわけではない
しかし蒼い壁の向こう側から
遠い声がするだろう
彼は小心の大男である
そして国境の空にわずかな罅ができる

憶えていてほしい
永遠でさえ過ぎ去る

時の隙間から
きみが振り返る


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