オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

『キリクと魔女』

2008-03-16 | おすすめ映画

突然ですが、あなたは今、苦しいですか?

仏教の教えに三苦や八苦という言葉がある。
この世は「思うようにならない苦しみ」に満ちていて、その「苦」から「悟り」の状態に近づく方法を「方便」と言うそう。
ちなみに「ウソも方便」とはそこから来ている。

とりあえず私はクリスチャンですからね。
イエスキリストはそれを「福音」と言いました。

苦しみの大きさは、人それぞれ。
小さくても死んでしまいたいほど苦しんでいる人もあれば、大きくて他の人には「さぞかし苦しいだろう」と思うこともなんとも思わない人もいる。
つまり受け止め方次第。

苦しみに負けてしまうのは「ダメなやつ」と言われ、それに打ち克つことが立派だと言われることは多いけど、そのことはとりあえず置いておいて。
知っておいた方がいいことがある。
苦しみは、他人へのそして自分自身への攻撃のきっかけになる。
自分自身への攻撃とは自傷行為。
やめられないタバコ、お酒、薬物などもそうらしい。

「キリクと魔女」という2003年に公開されたフランスのアニメがある。
(もうDVDも出ています。レンタルにも並んでるよ。)
そこにはある村を苦しめ続ける魔女カラバが出てくる。
村はカラバに常に支配され、常に貢ぎ物(黄金)を要求されている。言うことを聞かないとカラバは呪いで戦いに挑んだ働き手の男達を食べてしまったり、村の泉の水を止めてしまったり、「どんだけ~~~」っていうくらいの意地悪をする。
村に残るのは女と老人と数少ない男と子供たち。

その希望のない村に生まれた少年キリク。知恵ある少年。
あきらめる前に解決を考える。次々に魔女カラバの意地悪を解決していく。

ついに少年キリクは母に訊ねる。
「どうして魔女カラバは意地悪なの?」
「それはカラバが魔女だからよ。」
答えになってない答え(爆)。

納得しないキリクは、答えを求めて「その答えを知る」賢者に会いにいく。
行く手を阻む魔女の城を越えて。

途中はハラハラ・ドキドキ!!
観たことない人には申し訳ないけど、答えを言ってしまうと、実は魔女カラバの背中には「毒のトゲ」が刺さっていた。
カラバの背中には、かつて村の男たちによって「毒のトゲ」が打ち込まれ、その「トゲ」が与え続ける痛み。それが村人達を苦しめ続ける理由だったというわけ。
そしてその「トゲ」こそが魔女に力をも与えていた。

「どうして抜かないの?」
少年の問いに賢者は答える。
「その毒のトゲは魔女の背中に深く深く食い込んでいて、抜く時には刺された時以上に苦痛をともなうのさ。」

そしてキリクは勇気をふりしぼりその魔女の毒のトゲを抜きに出向く。そして・・・
あとは映画(DVD)を観てのお楽しみ。
美しい絵本も出ています。映画とともにこれもオススメです。

苦しいあなたの背中に刺さったトゲは何でしょう?
あなたに意地悪する誰かに刺さったトゲは何でしょう?
過去誰かに傷つけられたこと、誰かを傷つけたこと、自分の犯してしまった過ち、失敗、敗北、期待していた愛情や評価を得られなかったこと、裏切り、失望・・・etc.。

抜く時にはちょっと(場合によってはかなり)痛いかもしれないし、ある意味の力を失うかもしれないけど、もうそのトゲ抜いて捨ててしまいましょう。

「ああ、これが毒のトゲだったんだ。」って気づくとトゲは抜けます。
苦しみから解き放たれるには、それが1つの答えかも。
苦しみを攻撃で紛らすのは、もう止めようね。

「心のトゲならば 僕が抜いてあげる
 傷ついた心 癒してあげる
 悲しみの夜には ずっと傍にいよう
 ああ あなたが 立ち直るまで」

(オレンジブルー『始まりの朝』より)



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