ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

鰻を喰らう

2015-08-07 12:31:48 | 喰う、呑む
夏が終わった。

ワタシの夏は、終わった。

商売人としてのワタシの夏は、「松園夏まつり」と「盛岡さんさ踊り」の二大イベントの屋台出店を無事に経て、終わった。

おかげさまで少人数ながら、まずまずの狙ったところで終わった。
従業員、家族、アルバイト、そして毎年楽しみにしてきてくれるお客様達に感謝。





写真もこんな記録用しか撮れない忙しさで、さんさも松園も一番人気の「鉄板焼き辛味噌ホルモン」は18時~20時と早々に完売した。

良かったとはいえ、華々しい売上新記録に達していないのは、小心者が売り残しを恐れたためで、今年の催事方針そのものであるが、これでは販売チャンスロスを招くし、楽しみにして祭り帰りに買おうとしたお客様には申し訳ないはめになる。

しかしながら心に決めたのは大胆さではなく、計算つくした繊細さ、あるいは小心者らしい確実な成果である。


さて、その「小心者」たる所以を如実にあらわしたのが「鰻の葛藤」である。
恥ずかしい話で、人が喜びそうなので、あえて記す。


そもそもが大の鰻好きで、サラリーマン時代はなにかと食卓にのる機会が多かった。
まして「土用の丑の日」ともなれば、間違いなく酒の肴としてあるべきもので、職場で予約したりしながら楽しみに待ちわびたものである。

しかし、昨今、うなぎの収穫量が減り、ただでさえ高いのに、ますます高騰し、反して食生活、いや生活そのものが慎ましくなり、ここ数年、鰻がずどんと食卓に昇る日が無くなってきた。

そやけど、「土用」。
鰻がなければ無意味な日。

昨年通り何日も前からそわそわしながらスーパーの売り場を注視するのだが、とても手に負えない。
今のワタシは4桁の買い物はできない「ケチ」が染みついているのだ。
あるいはそういう「癖」って奴を意識して身につけようと努力した結果、どんな好物でも無視したふりができるようになったのである。

そうして、スーパーの鰻も、由緒ある鰻屋さんの鰻も、新興勢力の吉野屋の鰻丼も、なんとか誘惑に打ち勝って今年は二回ある「土用」を乗り越えたのである。

しかし、ある日、常連氏と与太話をしながらふと思いついた。
そうだ、あの手がある!!

二大イベントが終わり休息の昼休みをいただいた昨日、その行動に打って出た。

場所は盛岡津志田。
いつもの皮膚科への通院のあとに寄ったのは、「吉平」跡にできた「大全」。
そう、回転寿司である。

先ずは朝飯がわりに、一日10食限定のにぎりランチ、500と消費税40円なり。
値段の割りには内容も鮮度も良く、汁もサービスでつく。

そして、回転レーンの中の初老の職人さんにおもむろに頼んだのが、主題の「鰻」。

二貫で280円(外税)也。

いいじゃないか、鰻。
量的にも、これで充分だ。
  (と自分に言いきかせる)
いや~、小とはいえ、鰻。
紛れもなく、鰻。
幸せの鰻。

自分の胃袋にすとんと落ちるのに名残惜しさを感じながら二貫を喰らう。

あとは単品で店長オススメの鰯など数品。

充実した昼餉。
満足の鰻。

「丑」の日には少し遅れたが、夢は達成。

そのまま「矢巾温泉」に向かう。

そんな暑い夏の日の物語。


PS:鰻に手が届かないアナタには、鉄分・ミネラル・ビタミンたっぷりの当店の豚レバーを。
   写真は二人前です!!

 

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