ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

「フジ子・ヘミングの奇蹟」を聴く

2008-01-29 10:11:04 | 第1紀 読書・JAZZ
遅れ遅れの決算業務。
昨年はすべて任せきっていた娘も、今年は勤めているので「あと少しだからお父さんが自分でやって」と突き放される。
その、「あと少し」がなかなか手につかない。

「Sさん(私のこと)、お忙しいでしょうが、そろそろですか。」と、人のいい税理士さんが気遣いながらささやく声が聞こえそう。
何がなんでもやらねばと只今、必死で取り組んでおります。はい。

でも、小さいころからの「ながら族」(こういう言葉も最近は聞かないが)。
常に音楽がほしい。

真空管アンプ(ELEKIT TU 872)に灯を燈し、しばらくしてあったまってからCDをトレーに入れる(昔なら「ディスク盤に針を落とす」ときれいに表現できたのだが、CDではいかんともしがたい)。
JBLのモニター(4408A)から音が静に流れてくる。

仕事中だからと、フジ子・ヘミングの「フジ子・ヘミングの奇蹟」を取り出す。
最初の曲、リストの「ラ・カンパネラ*パガニーニ大練習曲」でやはりペンが手から離れ聞き入ってしまう。

フジ子・ヘミングを最初に聞いたのは、たしかこの曲だ。
まだ彼女がブームになる前のことだと思う。
その表現力のすごさ、タッチの巧妙さ、それにもましてやはり譜の理解力が独特なのだろうと思う。
自由で、豊かで、繊細で、華やかだ。
なによりも「彼女ならでは」の世界に引き込ませる説得力があると思う。

同じ曲が他のピアニストからは聴き出せない世界へ導いてくれる。

三曲目の「ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調」。
ピアノ一台でここまで表現できるんだと感心。
高校時代、ブラバンでやった曲だ。
好きだけど、未熟で練習嫌いの私には苦手な曲だった。
せまい部室で全員が一体感を感じる曲の一つでもあった。

ショパンもいい。
やはり彼女のショパンはいい。

昨日はアルゲリッチのショパンを聴いた。
これもいい。

でも、フジ子・ヘミングのショパンもいい。

もっぱら、フジ子・ヘミングは朝に聴く。
休日の朝、丹念に新聞を読んだあと、自室の青いソファーに横たわり、うたた寝をしながら聴くのがいい。

アルゲリッチは夜だ。
灯を落とした部屋で椅子に座り聴く。
タンカレーかスミノフの冷凍庫で冷やした奴をストレートで。

・・・・・・・

いかん、いかん。
決算処理がまたできない。
聞きほれている時間はないのだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。