ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

水口、泣くなら外に出ろ

2013-09-04 09:21:02 | 第1紀 読書・JAZZ
画面の前で、きっと相方も泣いているだろうと思ったら、このセリフ。

「水口、泣くなら外に出ろ。」

あららっ、ワタシも外へ・・・・

なんて。

「田舎へ帰ろう」  かぁ~。


最近、とうとう単身赴任先の盛岡松園事務所でも朝8時にテレビをつけるクセがついてしまった。

あまちゃん」である。

「じぇじぇじぇ」(岩手県のほとんどは「じゃじゃじゃ」であるが)という方言や、場所の設定が久慈という事もあって、あまり興味のなかったNHKの朝の連続ドラマであるが、その脚本や能年さんなどのキャラクターもよくて、ついつい見入ってしまう。

こうなるとドラマって云う奴は怖くて、一話たりとも見逃すことができない。
ドラマ好きの相方をいつも小馬鹿にしていたが、なにやらワタシも取りつかれたようだ。

先日は「めんこいまつり」出店の久慈のなにやら協会で「まめぶ」もご馳走になったし、何年か前、「北限の海女」がはやったころ、キャンペーンの合間に大通店で彼女らがランチした事なんかもありい、ついつい好印象で画面に見入ってしまう毎日だ。

これも、まぁ、小さな幸せなのか。

ただ、ドラマが一昨年の震災のあたりに入ってきてから、どうも涙腺がゆるくなる。
ドラマを見る前に、例えば画面下に「2011.3.11」などと説明文が出ただけで、少し心が穏やかでなくなる。
ワタシ自身の心の奥底に、あの震災の影響がまだまだ巣くっているのだなとあらためて自覚させられる。

(そういう、たった今も地震が。マグニチュード6.9、海底400㎞か。少し様相が違ってきたかなと警戒心。)


さて、平和もある。

恒例のカワトクさんの催事、「第6回 秋の全国うまいもの大会」(今日までです!)。

ようやく行ってきました。



福井県「若廣」の焼き鯖寿司。



いつもの、長野県「小川の庄」の「縄文おやき」。

オイシクいただきました。

野沢菜、オイシイ。

鯖寿司は大好物なので文句のつけようもないが、どちらかというと九州物産展で来る福岡の鯖寿司がワタクシ的には好きだ(という、あいまいな記憶との比較)。

そうそう、「鯖」といえば八戸も名産。
行かなきゃ、と、思う。


9月に入り、天候不順が引き続き、夕方から夜半にかけてぐづつき模様。
客の出足もあまり良くない。

季節の境目で、疲れた体をいやすにはいいが、あまり続くと体がなまる。



当店ホームページに「9月のクーポン」ものっています。

久し振りに「ホットペッパー」にも掲載再開しました。

食欲の秋はぜひ当店に。

お待ちしています。

「良いニュースと悪いニュースがある。」

2013-04-17 10:15:01 | 第1紀 読書・JAZZ
寝坊した。

事務所の朝は「7時40分」に自然に目覚めるのが、ここのところの「きまり」である。

今朝はそれが30分ほど遅れた。

原因は簡単だ。

寝つけなかった、あるいは、朝方まで眠りが浅く、熟睡したのは夜が明けてからであった。

ワタシの睡眠サイクルは90分なので、7時ころ小用に起きて、そのまま仕事するか、もう少し眠るか迷ってからワンサイクルの8時半に目覚めたわけだ。

そしてそのわかりやすい原因の「素」は、二つある。

一つは読み終えようと寝床に持ち込んだほんの読了が2時であったこと。

二つ目は、珍しく事務所に戻り、いつものように今日のオーダー票やレシートのチェックもせず、仕事のあとの楽しみの泡も、手作りの料理も摂らず、上着を脱いでそのまま蒲団にもぐり込み本を手にしたこと。

こういうことは希である。

ここのところ医者や友人にさんざん脅かされ、まぁ自分自身もそう思っていたから、今夜こそ不摂生の元の独り晩餐を控えようと、新しい本の読了を口実に行動にでたのだ。

そして、なんとか目的の断酒断食(おおげさ!)と読みかけの本の読了ができ、やはり予想通りの浅い眠り、あるいは寝つけない夜を迎え、久し振りの寝坊と空腹感での朝を迎えたのだ。


さて、その本は、



ワタシは「ミーハー」であると友人は言うが、村上春樹は好きなのである。

翻訳本とエッセイの何冊かを除き、彼の小説はほぼ初版本で揃っている。
(ボクは海外に行ったことがないので、向こうの小説はあまり読まない。背景というかバックボーンになっている生活とか風土とか歴史とかそういう小説の舞台になっている彼の地の常識をワタシが備えていないからというのが、ワタクシ的公的な言訳である。ようするにワタシは日本人であり北国人であり、米国人でも英国人でも白人でも黒人でもない。ただJAZZだけは好きなのである。)

で、話題のこの新刊が出た日、三ツ割の東山堂に山積みになったこの本をさっそく買い、月曜日の午前中に1/3を読んで、昨夜その残りを読了したわけである。

そして、いつものようにまっすぐ育った好青年の主人公が、いくつかの精神的な乗り越えなければならない障壁に向かい、真正面に向う物語を一気に読み終えたのである。

本を読むのは、いや話を小さくすると、「彼」の小説を読むことは、ある意味で、あるいはいつもそうなのだが「自分と向う」事でもある。

そして今回もまさにそうであった。

その「まさに」がワタシの読後感である。


高校生の最後の頃、ワタシはよく空を飛んだ。

そして金縛りにあい、何層もの夢から(たぶん悪夢から)逃れたと思いきやそれも夢、また逃れたかと思いきやそれもまたまた夢という、タマネギのような呪縛にまみれた夢を毎晩見ていた。

たぶん、年齢的にそういう不安定な時期であり、就寝が毎日朝3時過ぎという(受験生であったし中学の頃からパックインミュージックやセイヤングなどの深夜放送に引き込まれていた)生活も影響していたのだと思う。

そして、「二十歳のエチュード」という本にであったこともあり、この主人公に通じるワタシの一時期もあったのかなんて想いだした。

そんな、今日の寝坊の朝。


空飛ぶ話は、夜、大通店のカウンターでしましょうか。

じゃ、

荒地の恋

2013-03-27 11:58:03 | 第1紀 読書・JAZZ
3月27日(水)。

前夜遅く祝杯をあげるはずのテレビ観戦が、なぜかテーブル中、おまけに通勤カバンまで泡を浴びることになったのは思わぬ苦戦から手元が狂ったからか。

パジャマも濡れたので早起きし洗濯ついでに朝風呂に浸かることとなった。

いつもは朝起きてすぐ事務仕事に入るのだが、アトピー患者は風呂上がりの休息が大事と蒲団に横になり、昨日、喫茶店であと十数ページを残してきた本を読み終えることとした。

五十三歳で親友の妻と恋に落ちた詩人を描いた、その詩のような物語。
詩人は北村太郎、親友は田村隆一、「荒地派」の詩人たち。
物語は昭和の終期から平成のはじめ、そう昔の話ではない。
そして北村が五十三歳から多発性骨髄腫を患い腎不全でなくなる六十九歳までの恋の物語であり、同時に彼を取り巻く男や女達の物語でもある。
海難事故で亡くした最初の妻と同名の友人の妻と恋に落ち、家族と別れ離婚し、大新聞社の校閲部長という肩書を棄て、恋人に惑わされながら行ったり来たりし、新しい恋に焦がれ小舟のように揺られる彼の姿が「ねじめ正一」によって描かれている。

7年前の初版本だから、買って本棚に置かれたままだったのだろう。
もっとも相方に言わせるとアナタの本棚には読まない本の方が多いそうだから、何かの思いつきで手にとるにふさわしい「歳」をとったのだろう。

純情商店街など何冊かの本は手にしたが、どうもねじめさんは気を張りつめないと底が読み通せないので難しい。
軽やかさの中に含む鋭い視線を読み逃すのはもったいないのだ。

だからこの数年ぶりの本はここ二三日に集中して読むことにしたのだ。
いや、手をつけたら放せなかったというのが本当のところだろう。

少しあっと言う結末もあるのだが、北村・田村、男達・女達それぞれの生き方や恋の物語が凄まじくせまってくる。
危険な香りもあり、詩人達のシャイな生き方もあり、女のしたたかさもあり、家族のつながりもあり、そしてその主人公の年齢が今の自分と重なることで刺激的というよりも言葉を選ばねば「辛辣」という感じで読み終えた。

若い方は今買っておいて数十年後に読むことをお薦めする。
年を経ないとわからぬ事もあるので、これはいたしかたない。
四十を過ぎた方にはお薦めする。
恋とか愛とか関係ないワタシのような方にもお薦めする。

今は文庫本もでているようで、



Amazonさんは、このページである。
  http://www.amazon.co.jp/%E8%8D%92%E5%9C%B0%E3%81%AE%E6%81%8B-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%81%AD%E3%81%98%E3%82%81-%E6%AD%A3%E4%B8%80/dp/4167559048

いまどきの書店では売れない本はすぐ棚から外すから通販の方が確実だろう。

話は飛ぶが一昨日、某、大通店の本屋に入るなりすぐ踵を返した。
なんと月末の月刊誌発売集中デーなのか、一年程前にかわった売らんかな店長の手で、通路は歩くこともできないほど段積みの突き出しで一杯。
これでは立ち読みはダメよ、ワタシのオススメを買いなさいってものだ。
本屋の文化なんて今の時代では期待しない方がいいのかもしれない。
立ち読みをしているとレジの方から睨まれているようなきもして、もうなかなかゆっくりと入れない。
そんな悲しさを覚える。
(といいながら週に数日は通うのだが)


さて、いつものように話はずれた。

次はどの「古本」に手を出そうかと書斎をいじくりまわしたいが、先週(夜の臨時営業)も今週(松園店ランチ従事)も次もその次も(グルージャ公式戦はじまります)、たぶん連休明け(催事シーズン)まで公休日の日曜日にゆったり自宅にいることはかなわないので、さてどうしようかと頭を傾げる春の日。

診療所の待合室と書斎の青いソファーで2冊の本を読んだ

2013-02-04 11:43:08 | 第1紀 読書・JAZZ
やはり風邪だった。

金曜日の夜からどうも調子が悪いと事務所に戻り熱を測ると37.9℃。
半年ぶりに酒も呑まずまっすぐ布団に。

翌朝も下がらず、ためらっていると38.3℃。
熱にはめっぽう強いのだが、ここまであがるとそうも言えず、松園商工会メンバーの開業医へ飛び込む。

予期していたように土曜の昼前の待合室は混み混み。
病院好きなワタシはきっちりジャンパーのポケットに一冊の本と眼鏡を準備していた。

一時間半待った医者の結論は風邪とそれに伴う喘息の悪化。
インフルエンザは毎年予防注射しているしこの症状ではやはり風邪であった。

しかしなんだな、病院の待合で本を読むのは習慣だが、一冊丸々読み切ったのはあまり記憶にない。



村上春樹の「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(新潮文庫)。
ワタシも大好きなアイラとアイルランドを廻った「シングルモルト」の旅で、興味深く、楽しく読んだ。
たぶん、単行本も自宅の書斎にあるはずで、読み返しということなのだろうけど、いま自宅や外で呑むウィスキーはほとんどアイラが多いので、本を読みながら酔った気分にもなる。
ワタシの定番はボウモアで、これは店にも置いている。
ラガブーリンなんかもいい酒だ。
なんて読み終わったと同時に看護婦から呼ばれたのだ。


そして昨日。

素直な体は薬を2回飲んでほぼ全快したのだが、用心のため非番の日曜日は寝て曜日にしたのだ。
ランチに近くの未開拓店に行ってアッパーを喰らったほかは寝ていたせいか、真夜中の1時半に目が覚めたら寝つくことができない。

ならと昼に数頁かじって入り込んだ本を寝薬がわりにと布団から青いソファーに移って読み始めた。

これがなんと魅せられて、最終頁まで一気に読了したのが、朝6時5分前。



「話の特集」と仲間たち 矢崎泰久 (新潮社)

1965年に創刊された月刊誌「話の特集」の編集長による立ち上げから5年目ころまでの黎明期の苦労というより、おもしろおかしい、しかし生きるか廃刊かの壮絶な戦いの物語でる。
副編集長格の和田誠はじめ、出てくるメンバーも伊丹十三、五木寛之、植草甚一、永六輔、小沢昭一、黒田征太郎、篠山紀信、竹中労、立木義浩、寺山修司、野坂昭如、深沢七郎、三島由紀夫、横尾忠則、吉行淳之介などと、まぁよくもこれだけという豪華で大好きな作家・写真家・脚本家などなどで、それぞれのキャラクターがまたまた凄すぎ、ぐいぐいと頁に吸い込まれていく。

1時間ほどで寝るのをあきらめて、久々の朝方までの読書となった。

「話の特集」はバブル崩壊期まで続いたので、田舎の高校生には少し刺激が強すぎ敬遠していたかもしれないが、学生と社会人の2度の東京住まいのころはよく電車の吊り革にぶらさがりながら立ち読みしていた。
なかなか刺激的な雑誌で、そういえばそうっだったなと想い起こす節もある。

矢崎泰久は当時からよくテレビの深夜番組などに出ていたので記憶はあるが、どこか得体の知れないおっさんという印象であまりいい覚えはないが、なんだそうか、最初の発刊元の親の会社を倒産に導き、その後も2社を渡って自立するまでは壮絶な日々だったのだなと感心したのである。


2冊とも、たぶんどなたにもという訳にはいかないが、ウイスキー好きな方と本好きな方には肩の凝らない、しかし興味を持って読み耽る事のできる本だろうと思いますので、ご紹介します。

参考:Amazon 
    「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」 村上春樹 (新潮文庫)
       http://www.amazon.co.jp/%E3%82%82%E3%81%97%E5%83%95%E3%82%89%E3%81%AE%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%B0%E3%81%8C%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%81%A7%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%82%89-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9D%91%E4%B8%8A-%E6%98%A5%E6%A8%B9/dp/4101001510

    「話の特集」と仲間たち 矢崎泰久 (新潮社)
       http://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E8%A9%B1%E3%81%AE%E7%89%B9%E9%9B%86%E3%80%8D%E3%81%A8%E4%BB%B2%E9%96%93%E3%81%9F%E3%81%A1-%E7%9F%A2%E5%B4%8E-%E6%B3%B0%E4%B9%85/dp/4104736015


PS:暖かい日や寒い日が極端に交互し、道はテラテラですが、どうぞおいでください。今日もホルモン洗って待っています。

喫茶店が「世の中」だった時代

2013-01-24 09:35:38 | 第1紀 読書・JAZZ
今夜まで厳しい寒さも一休みとなりそうですが、週末からまた心底、冬に戻りそう。
昨夜は太股に湿布を貼って、石油ストーブも炊いたまま、(ついでにピッチャー満タンのキリン一番搾りとコンニャクパスタでよれよれになり)万全の体制で寝たせいか、朝方も足がつることは無かったです。
どうも寒暖差が大きいのも足がつる要因になるそうで、これは喘息にもいえることで、少し贅沢ですが寝る時もストーブはつけている次第です(3時間タイマーで切れちゃいますが)。

さて、朝からいつもの伝票整理。
店のオーダー表を一枚一枚、一行一行丁寧にみて、お客様の様子を想像するのも大事なこと。

そういえば、松園店の最近のオーダー表に「松園定食」が増えています。
今月からはじめた「松園定食」(ランチタイム)。
日替りでホルモン・焼肉の定番メニューではなく、ちょっとした一品を中心にお出しするもの。
牛スジハヤシやしょうが焼き、時にはF中華名人直伝の中華や魚料理も出ます。
「まかない料理」をきっかけにしたこの「松園定食」は料理のバランスもよく、外食の多い会社員やお昼をゆったり食べたいという奥様方に好評なわけです。
お近くにお越しの際は、ぜひこの「松園定食」をお試しください。


さて、昨日、ネットでニュースを見ながら、そうそう常磐新平さんがお亡くなりになったんだと、しみじみ。

常磐さんは水沢市生まれで早大大学院を修了後、早川書房で編集長などを歴任。
退社後もミステリーの翻訳や小説、エッセイ、評論などを執筆。
直木賞作家でもあります。
ワタシは彼の本を数冊もっていますが、いずれもエッセイ本。
時代を慈しみ、多方面の作家や著名人との交遊のあった常磐さんの肩の凝らない文章が好きでした。

さて、昨日の常磐さんからぐぐって行き着いたページの中で、たいへんおもしろく読んだものがあります。

「slow net」のインタビュー、題して、喫茶店が「世の中」だった時代 。

歳を重ねてわかる楽しい世界
名誉や権力よりも性愛、山の手よりも下町――
一貫して市井の人の視点から世界を描いてきた
直木賞作家が語る自らの人生とこれから。

常磐さんが69歳の時のインタビューです。

うん、ひと言でいえば、いい歳のとりかたをされているな~。
いや、枯れているわけじゃない、まだまだ燃え盛るものを持ちながら、少し離れた目線でものごとの本質をしっかりとらえている。
そんな感じで、微笑みながら読みました。

喫茶店に通いつめ、その空間をこよなく愛している。
「喫茶店のコーヒーでずいぶん時間を無駄にしてきた」といいながら、その時間を慈しむ。
学生の頃から喫茶店に入り浸っていたそうだが、そうなれば割と豊かな学生生活だったのか。
二廻りちょっと年下のワタシも「喫茶世代」ではあったが、珈琲代もない貧乏学生だった。
ただ当時は、いや今でも時間の狭間や心が落ち着く場所として、喫茶店を利用した。
もっとも、じゃぁ行こうと思っても、その喫茶店を探すのに苦労する昨今であるが。

常磐さんは「歳をとってわかること」の一つに、若いころ読んでわからなかった小説が歳をとって再読すると入り込める場合があるという。
うん、そうですよね。
まるで歯が立たなかった本を租借するように読めたり、若いころと違った読後感を持ったりする時があります。
だから、本は棄てれない。

そして「歳を重ねてわかる楽しさ」もあるとな。

うん、まだまだその境地には達していないが、ものごとや人、ある局面にであったときに、若い頃と違った距離感で接する自分がいて、そんなことも楽しみといえるのかどうかわからぬが歳をとるということのありがたみを知る時がある。

このインタビューは、こちらから覗いてください。
  http://www.slownet.ne.jp/sns/area/life/reading/interview/200602161346-1000000.html

枕元には毎日ラジオ番組の声を楽しみにしていた小沢昭一さんの本が何冊かある。
そして、これも大好きな作家、田中小実昌さんもここ数年はまっている。
色川武大さんには心酔しているし。


あ~、おまえ、ひょっとして歳喰って「力」がなくなったな?
なんて悪口を言われそうだが、

いやいやゼンゼン、
若い時から好きなんだよ~



たましいの場所

2013-01-21 11:50:22 | 第1紀 読書・JAZZ
「歌いたいから歌うのではない。歌いたい事があるから歌うのだ。自分を歌うのだ。」と早川義夫は「たましいの場所」でいう。



日曜日の昼下がり。

お気に入りの自宅の青いソファーに横たわり、バッハなどを聴きながら気になってようやく手にした早川義夫の本を読み始める。

ワタシタチの年代なら早川義夫の名を聴いたことがあるだろうけど、わかりやすくいえば女性デュオがカバーした「サルビアの花」をつくった人。
あるいはワタシより少し上の人なら一世代を風靡した和製ロックの創世紀のジャックスのメンバーといえばおわかりか。

本人によれば23歳でうたをやめ、早くおじいさんになりたくて本屋さんをはじめ、四十代後半にまたうたいはじめた。

(本文より)
歌っていいのだ。
歌いたい事があるのだ。


で、じゃぁ、その四十半ばを過ぎた早川義夫の歌を聴きたくなった。
世の中は便利なもので、10数年前のVAIOでも「このブラウザはもうサポートしていません、どうのこうの」とでるが、なんとか You Tube を見るとこができ、ワタシはしばしその早川義夫の歌に聞きほれたのだ。

HONZIという早世した女性奏者も知った。

ついでに「その頃」のロックとかフォークとかそういう曖昧な狭間のものとか、自分の十代後半から二十代前半の日本の歌も聴いたのだが、いやいや早川の歌を聴きながら、その詩を食みながら本を読み進めるというなにかもどかしい時間を、しかし少しの幸せ感に浸って過ごした。


余談である。

この早川義夫の「たましいの場所」はちくま文庫の12月新刊であり、いつもの大通店ランチ業務後の散歩のときにさわや書店の書棚で見つけたのだ。
その時は読書している場合でないなどと少し悟ったふりをして見逃したのだが(こういう欲しい本を我慢するときは売り場から逃げ去ったという方があっている)、いや先々週の朝日新聞の書評欄に取り上げられていて、こりゃいかん、店頭からなくなると急いで駆けつけたのだ。
さわやの新刊文庫コーナーにはすでになく、狭い、しかも新店長になって歩くのもままならぬ狭い仕掛けの店内をグルグル廻り、あきらめかけた二巡目あたりに少し山積みにされたこの本を見つけた。
売らんかな魂そのものの売り場に変わり、相当頭に来ていたが、手書きPOPも添えられた段積みに、まぁ少し許してやるかという気分になった。

でもね、
ただただ売れる本を通路の邪魔になっても目立たせて売り上げをあげようという最近の姿は、哀れじゃよと、まだ腹立たしいのはおさまらぬが、何年か前は本店の横でまんがや音楽本や映画・演劇などの専用おたく別館があったことのお釣りで許してあげようよ。
ワタシは本を買いに行くのではない。
買いたい本に出会い、あるいは見つけ、探しに行くのだよ。
そういう本屋であってほしい。

じゃなきゃ、Amazonda!!

この早川さんの本に歌手再デビューにさいし二十数年続けた本屋をやめるときの常連さんの言葉がある。

早川書店は決して「本を買いに行く」ところではなく、「本に会いに行く」場所でした.(H・K)

というのがあり、なるほどなと思いながら少しウルッとしました。
高校生のころの花巻上町「誠山房」は、古典に埋もれる学校の図書館と違い、新しい事やものの見方、知らない世界と出会う知識の探検の場所であり、初心者マークの本好きの居心地のいい場所でした。
学校で授業を受けながら一冊、図書館で一冊、誠山房の立ち読みで一冊という今思えばたいそう恵まれた時期だったのです。
  (本屋のおばちゃんの険しい、時にあきらめ顔で覗く姿も思い出します)


うん、いろんなことを思い出しながらの読書。

本文の中から気に入った一節をもう一つ。

歌謡曲は過去を歌い、フォークは未来を歌い、ロックは今を歌う。歌謡曲は絶望を歌い、フォークは希望を歌い、ロックは欲望を歌う。

彼はロックを歌いたかったのだ。

そしてボクは高校時代、従兄弟から借りていた12弦ギターでフォークを掻き鳴らしていた。

大釜でJBLを聴いた

2012-11-21 13:10:17 | 第1紀 読書・JAZZ
二十年ほど前、JAZZとオーディオの入り口に導かれ、危うくのめり込むところだった。

幸いサラリーマンの小遣いでは果たせぬ世界と、ほどほどにつきあわざるをえない事に気づいた。

JAZZは楽しみ方でどうにでもなるのだが、オーディオの世界は果てしない。

その入り口は(何度かお話しているかとおもうが)当時の某局の親しい営業マンが紹介してくれた盛岡大通佐々木電気さんだった。

せいぜい数万円のお小遣い貯金で済ませるつもりが、佐々木電気2階奥のオーディオルームに導かれ、蛇ににらまれたカエルのごとく、たぶん向こうさんにとってはごく初心者向けのセット、セレッションなんていう英国製のマニア向けのスピーカーやラックスマンのアンプなど50万ほどのお買い物となり、カエルは冷や汗かきながらのけぞったのであった。

その時の担当が細川さんで、一昨年かその前の年か、まさかの佐々木電気の閉店のあと半年ぐらいして独立され、滝沢の大釜駅前の通りにオーディオ専門店を開店された。


ここのところあらぶれている心を洗おうと、久しぶりに細川さんの調合した音を聴きに滝沢に向かった。




最近はLPレコードを再認識しているといわれる彼の選曲でアナログを何枚か聴く。

スピーカーはたぶんJBLのS4700。

JBLらしいめりはりの効いた、しかしゴリゴリせずわりと柔らかなやさしい感じの音を出す。

ワタシの書斎(12畳)くらいの一般家庭の部屋では、やはりここらへんが大きさの限界であろう。
せんだっての「高額当選」宝くじの桁が2つ違ったら、今すぐにでもほしいと思った。
  (いやいや、アバンギャルドの真っ赤なやつも欲しい。  桁が3つ違ったら、ね。)

オーディオの話を中心に、しばし音を聴きながら話し込んだ。



最近では新品とともに、



中古品も販売しているらしい。

佐々木電気の時は新しく購入された方が今まで持っておられた中古品だけを販売していたのだが、彼の店は中古品だけの持ち込みでもいいですよとのことで、ウチの書斎で「寝て」いるマッキントッシュをお願いしようかなんて、、、、うん、不憫。



彼はジャズのベース弾きでもあり、現在も盛岡を中心に月に数回ライブを行っている。

その経歴は詳しくは「ジョニー」の照井顕さんが盛岡タイムスに書かれたのをごらんください。
  → http://www.morioka-times.com/news/2011/1107/18/1107183.html

そして細川さんの店、「オーディオ・ベースマン」のHPはココです。
  → http://www3.ocn.ne.jp/~bassman/

場所は大釜駅前の道沿い。
普通の事務所っぽいので見逃さないように。

オーディオの魔窟なんて怖がらず、そこらへんの電気屋でラジカセ聴く気分で行けばいいとおもいます。
数万円のセットでも大型家電店ではなく細川さんのような専門的な方からアドバイスを受けると全く違って聴こえると思います(音響機器の置きかたや場所、部屋の作り方なんかね)。
できれば自分の好きなアルバムを一枚持っていくといいですよ。

えっ、こんな音がと必ずびっくりするはずです。


何も買わずにただただ聴き入っていた昨日のお詫びに、精一杯、宣伝しました。

あ~、JBL、アバンギャルド、LINN、、、ブツブツ、ブツブツ、

紅茶と古本

2012-10-16 17:16:55 | 第1紀 読書・JAZZ
初めに少しこのブログについて。

何回か書いていますが、このブログを運営するgooさんと事務所のPCの折り合いが悪く、どうもうまくgooが表示されません。

人間とのつきあいでは多少難のある方でもなんとかかわせるのですが、どうもこの機械とかソフトとかいう奴とはコチラが初心者過ぎて手に負えません。
グリコじゃないけど、手を挙げたままの状態が続いております。

そんな訳で、皆様もお気づきでしょうがブログの更新が滞っています。
幸い大通店のPCではスムースなので、店にいるときだけ更新できます。

先週、古くから毎週のように店をご利用いただいている常連さんに、最近ブログの更新が遅いねとお叱りを受けました。
このような状況ですので、今後もgooさんと事務所PCが仲直りするまでままならぬかもしれません。
しかし、こういった手合いは何の拍子か元に戻ったりしますので気長に待ちましょう。

ついでにいうと、ここ一週間ばかりご機嫌の悪い事務所のプリンター3台も、何とか交互にだましだまし使っているありさまで、これは仕事に直接関わるので苦労しています。

案外、人間どうしのほうがわかりやすいのかも・・・・・


では、長い前文のあとで、本文をどうぞ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


10月から平日のランチタイムも出勤となった。
実務労働の時間は増え、減ったのはデスクワークの時間とプラーベートタイム。

だから、12時からの3~40分にお客様が集中する大通店の13時過ぎのアイドルタイムを従業員にまかせ散歩・散策という自分の時間を作ることを再開した。
幸い季節は街歩きにはちょうどいいシーズンだ。

といっても、ほとんどが本屋まわりで、先週のとある日は桜山の「キリン書房」へ。
いつもは軒先の「100円均一」コーナーを見るだけなのだが(いやこれだけでも価値のある本が見つかることがある)、たまにはと中に入るとやはり欲しいものが出てきて、素通りできない本の虫。

2冊の本を手にとりレジへ。

色川孝子の「宿六・色川武大」と高樹のぶ子の「トモスイ」である。

色川武大または阿佐田哲也はほぼ全冊を揃えているお気に入りの作家の一人。
芥川賞を受賞した「離婚」は孝子夫人とのことをモチーフにしているのだろうか(「宿六」に夫人の感想というか嘆きが書かれていますが・・)

高樹のぶ子はその女性的でありながら飾り気の無い研ぎ澄まされた文体だ好きだ。



 (2冊とも大通店の棚に居ます。興味ある方はどうぞ。)

さてそうなればウキウキ気分でさっそくペラペラとページをめくりたい。

とっておきの場所があって、そこは朝飯抜きの小腹にもよさそうな「リーベ」。

昨年の震災のあと、大通店に寝泊まりしていたころは早朝からよくお世話になった。

ランチの看板を見て迷った。

焼きそばパンもいいしミックスサンドも喫茶店のスパゲティもいいなぁ・・・

などと考えながらいつもの二階へ。

え~と、やっぱミックスサンド!!

と注文するが、ランチですよね、これでいいよねとおばさんが、失礼、ママがお隣のOLに運ぶ途中のトレーを見せた。

あっそうか、すっかり忘れていた。
ここのは黒板の全て、4種のパンとパスタが入るボリュームランチだった。



客はほとんどが昼食休憩時間のOLであるが、これがなんともの名古屋ばりの大盛りランチなのである。
この4種にサラダとドリンクがついて600円。

ここは盛岡の紅茶の発祥の店だから、ドリンクはやっぱ紅茶。

先ずは飯、そして紅茶を呑みながら読書。

「宿六」の最初の数行を読んで、あぁやっぱりと頭を掻いた。

そうだろうとは思っていたが、やはりすでに花巻の自宅の書斎にある本で、珍しく読了しているはずなのである。
でも自宅のは確か文庫本。
しかもワタシは記憶が薄い人だから、読んでいると既読感より新しさを感じる。

すっかり夢中になって読み耽た。


そして昨日の昼下がり。

13時過ぎの散歩は袋に宿六とメガネを入れて、向うはリーベ、頼むはランチ、紅茶でね!!



秋の長袖に入ったばかりのいい季節。

茶店でゆったり読書。

中津川には鮭も昇ってきたよう。

岩手山は平年より10日遅い初冠雪。

そして昨日の夜空は満天星。

かけがえのない、しかしほんの短い季節である。



(写真は桜山商店街の鐘楼の脇の木に生えた大きなキノコ。山もようやくシーズン到来なそうです。)


そして、エイヤッッッッ、



昨日も3組の方の申し込みがありました。

土曜日余席あと少し、月曜日はまだまだ間に合います。

「第4回 短角牛の内蔵焼肉をたらふく喰う会」にどうぞおいでください。

お申し込みは、大通店、019-651-7111。



今夜はサッカーで、さてどうなるやら。

じゃ、

真っ昼間のスコッチとJAZZ、月と飛行機雲、二台のギター

2012-09-22 17:35:13 | 第1紀 読書・JAZZ
少し気温が落ち着いて、一昨日は大通店の昼仕事の後、所用で中の橋方面へ歩く。

グルージャ盛岡の事務所に寄った後(そうそう、明日は盛岡南運動公園でリーグ戦です、もちろんワタシも参戦です)、運動がてら少し歩いて外ランチ。

南大通の東北銀行向かいにある「見聞録」。
スコッチの収集家であり、棚には見慣れぬラベルのボトルが所狭しとある。
盛岡には「スコッチハウス」もあり、ウイスキー好きにはたまらぬ街なそうです。

まぁしかしまだ昼。
ランチにカレーをいただく。
580円なり。
一杯数千円のスコッチと比較すればお安いが、味はいい。
店の雰囲気も、マスターとママ、常連客の会話も心なごみ、特に座ったカウンターの木の椅子の座り心地が気に入った。
ただ、、
短足のワタシにはちょいと昇り降りが難しいのだが。。
宝くじかなんかで小金があたったら、スコッチをあおりにこようっと。

帰り道は寄り道で中の橋の「ダンテ」。
盛岡で昼にガンガンとジャズを聴かせる店。
いつもの席で、大きなスピーカーからゴリゴリと鳴るテナーサックスを聴く。
ここのスピーカーは好きだ。

何か充実した昼下がり。
盛岡はいい季節に入る。


そして昨夜は従業員にわがままをいい、仕事をさぼって花巻へ。



半月かな?
もすこし欠けていたかな?
月と飛行機雲。
空は秋だよと教えてくれる。



さて、行ったのは花巻文化会館。
前から4列目くらいの上席を早々と予約して駆けつけたのは、大好きな村治佳織ちゃんが弟とギターデュオのコンサートを開くから。
相方も前に一度聴きに行っていたから、今回も同伴。

J.Sバッハのプレリュードからはじまり、デュオ、ソロと続く2部したてのステージはアンコールの2曲目、映画「ディア・ハンター」の主題曲「カヴァティーナ」で幕を閉じました。
この曲、自宅書斎で青いソファーに寝るときのBGMである彼女のアルバムにも入っているのですが、不肖ワタクシ、イントロでガツンときて涙目でありました。
なんだろね、中年男、何を想ったのか。
いやいやお隣の相方もハンカチを取り出していましたよ。

さて村治佳織ちゃん、年明けの1月19日(土)も来県(盛岡キャラホール)されるそうです。
ヴァイオリンの川久保賜紀とのデュオです。
楽しみですね。

そして、え~写真は事務所の襖に貼ってありますもので、夜、仕事から帰り、誰もいないこの部屋で泡をいただくときに、「お疲れさん」とこのお二人に向かうわけです。
もう一方は、吉祥寺井の頭公園の歌姫あさみちゆきちゃんです。

はい。

コンサートが終わり、夕餉は一日市「小ぎく」へ。
今月は定例の会にでれそうもないので、お詫びがてら夫婦でカウンターに。
黒ちゃんご夫妻は常連の女性客ともう「よか」気分。
大ファンで日曜日も球場へ足を運ぶという楽天の試合をテレビ観戦しながら遅くまで楽しみました。

少しせんない世を忘れ、うつつをぬかすのも良し。

今日は早起きで朝から一家、盛岡の事務所で来月の創業祭の準備。
プリンター2台をフル回転させ、DM封筒4000枚印刷完了。

さて、中身は・・・・・
今から考えます。

じゃ、
明日は盛岡南公園でグルージャです。