ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

憮然 愕然 全然なのよ!?

2011-01-27 10:27:54 | 第1紀 をかしら屋
少し商売の話をしよう。

昨年暮れの残雪、いや「残骸」がまだまだあちこちで人や車の往来を邪魔しているのか、正直、パッとしない年明けがそのまま続いている。

あんまり商売の話や景気の悪い話は、恥ずかしいからここには書きたくないのだが、まあそういう状況である事は歴然とした事実でありますな。

大通界隈は、昨年末で当社大通店の真ん前の良くお世話になった和食店が閉店、ニュースによると大手の大庄グループ「庄や盛岡大通り店」と「歌うんだ村」が今月末で閉店になるなど、やはり映画館通り交差点の岩手公園側エリアは客足が遠のいている事を示す結果となっている。

それでも昨夜も遠いところからの久しぶりの常連さん一団や、お馴染みさん、いつも元気な首長さん、元、いや休職中の従業員とお仲間さんなど、給料日あとらしいプチ賑わい。

しかしながら寒い夜の常で10時以降に一人居残ったワタシは、誰に邪魔されることなく事務仕事に励んだのでした。

もう厳しく「邪魔」してほしかったんですが、しんしんと冷え込む夜の公園界隈に人影はまばらなんでありますな。

そうそうに事務所に帰り、各店の伝票を一枚一枚めくる。

テーブルオーダー表をめくり、伝票の向こうにお客様の影を感じる。
それがワタシの仕事。

「人数2+2」、ふ~ん大人2名にお子様二人か、ジュースに「お子様カレー2つ」、お子様連れの若夫婦だな、なるほど旦那さんは生ビール2杯で、「Pカード優待」の和牛サーロインも一枚とあるから、家族のだれかの誕生日かな・・

ふんふん、生ビールに焼酎に純米大七か、リップに葛巻マトンにネクタイ・ベーコン、なるほど新しき物好きの常連さんだな、さすがに松園店だ、常連率が高い・・

などと注文書の上から下まで、その行間まで読み込むのが楽しい仕事。

一枚一枚にお客様の利用実態が現れるから、その利用動機や嗜好、商品のリピートなどを分析するのがワタシの手法。

そして、伝票の一枚一枚(=お客様の一組一組)も重要だが、総体の数字(=売上)から変化を読み取ることも重要で、あんがい毎日数字をみていながら、その波というか変化のうねりに気がつかない方も多いと思う。

ワタシもその「うとい」一人。

気になって、毎日つけている少しだけ細かい数字の実績表を時系列で読み返した。

ありゃりゃ、なんじゃこりゃ。

1月というのは正月や新年会、成人の日などの「ハレ」の日が多く、宴会比率も高いからウチのような端っぱのホルモン屋でも年間のうちでは比較的客単価の高い月。

ところがサラリーマン相手の大通店の夜の平均客単価がなんと前年から数百円も下がっているのだ。

庶民の味方、「新鮮・ボリューム満点・しかも安い」というのが当店のキャッチフレーズであり、お客様の財布を痛めないのは店の幸せでもあるのだが、それにしてもさがり過ぎ。

ランチは今月からたいへん申し訳ないが日替わり特価を50円程あげさせていただいたので、客数は減らずそのまま単価が50円ほどアップしているが、夜が、ね。

昨年とそうかわらない企画の打ち方なので特別安くしているわけじゃない(まあ普通に安いのだが・・)。

やはりお酒の呑み方が「穏やか」になっている気がする。

飲み放題の宴会コースでは、もう気が狂うほど(失礼!?)呑むのだが、普通のお食事では酒が入らぬことも多いのだ。

酒よりお食事という傾向が、確かに多い。

昨年暮れから「夜の食事メニュー」を強化していたから、それはそれでありがたいのだが、やはり最近の傾向で思いっきり呑むという感じは少なくなっている。

かといって様子を窺うと、ウチで軽く食事をし、さあ二軒目へGO!  ではなく、あっさり呑み、しかも長~~く語らい、良い子でお家に帰るというパターンが定着しているような気がする。

特に若い方、若い夫婦に多い。

ワタシたち、高度成長期の毎年給料があがると確約されていた時代と、たしかに今は違うからな・・、いや違い過ぎるのかもしれない。


なんて、簡単に話をまとめないで、もう少し数字を見つめますか。

変えれない環境と、変えれる自分とを冷静に分析して、今のご時世なので金(リスク)をかけず効率的で即効性のある対策を・・・・・(難しい・・)

ああ、小心者経営者の気が休まる暇は無いのであります。

東京物語4 いざ、宇ち入りじゃ

2011-01-27 00:33:43 | 第1紀 生きる
勉強した後は、そう、さらに勉強が続く。

東京出張一日目の後半のステージは、そう、「京成立石」じゃい!!



「宇ち入り」でござ~る


なんか、この三日間のハイライトになりそうな感じ。

ワタシの妄想に火をつけたのは、ここしばらくはおいでになっていないが、さる地元銀行の(当時)部長さん(今は子会社の社長さんかな)。

東京勤務時代、しげく通われたそうで、ホルモン語るなら行ってらっしゃいと何度もそくされた「その店」に突入するのである。



浅草の宿にチェックインし、都営浅草線で直通の京成線に入り立石駅で降り、転勤一年目の若き友人を待つ。

右側の階段を降り、すぐUターンして、すぐさま左のアーケード街から数歩。



「宇ち多」は、そこにあった。

東京下町のモツ系居酒屋の王者であり、そこに行くことを「宇ち入り」と称したり、毎日通う「宇ち中」なる中毒の信者が多々存在するという伝説の店である。

午後2時開店。

到着はすでに4時を廻っている。

目当てのものは開店すぐさま売りきれとなるらしい。

幸い、行列は数人でまもなく導かれるままに、田舎じゃ二人駆けの長椅子に4人駆けで詰められる。

店はさほど広くないが、全てがこの塩梅なので、客数は多い。
隣の人と余り気持ちは良くないがモモをぴったり合わせるどころか、後ろの人とは背中も仲良く合わせる状態は、東京では普通らしい!!

さて、実は緊張の極みであったのだが、何も予備知識の無い若き友人は「ビール」。

このあとが問題。

とりあえずは、「煮込み」。

早い時間じゃないから「呪文」無しで・・・・

へへっ、なにが「呪文」って??

この「宇ち多」には書いてあるメニューはさほど多くないが、長年のお客さんのリクエストが「呪文」となって飛び交うらしいのであり、これを知らないといいものにありつけないのだ(と書いてあった)。

だいたいが、「モツ焼き」としか書いていないメニューなのに、実は数十種類もの頼み方があるという。

宇ち入り倶楽部」というページから引用しよう。

  (実は何日も前から、このページを印刷し、繰り返し予習していたのだ。自分用のMEMOなど取りながら!!)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

もつ焼き (注:ほんとうに店内にはこうしか書いていないのに・・)

シロ塩 レバ塩 ガツ塩 ナンコツ塩 アブラ塩 ハツ塩 カシラ塩 ツル塩
シロタレ レバタレ ガツタレ ナンコツタレ アブラタレ ハツタレ カシラタレ ツルタレ
シロ素焼き レバ素焼き ガツ素焼き ナンコツ素焼き アブラ素焼き ハツ素焼き カシラ素焼き ツル素焼き
シロミソ レバミソ ガツミソ ナンコツミソ アブラミソ ハツミソ カシラミソ ツルミソ
シロナマ レバナマ ガツナマ ナンコツナマ アブラナマ ハツナマ

     (注:こんだけ種類があるらしい)

もつ焼きの注文のしかた

(メニューには「もつやき」としか書かれていないのだ)

具(必須)
焼き方(必須)
焼き具合(省略可)
酢を入れるか?(省略可)

      の順で注文するとよろしいのだ。

(例) 
カシラ素焼きのわか焼きお酢
ガツ塩よく焼き
レバタレ(シンプルに注文もグッド!)
アブラ少ないとこミソ(この場合は具に条件がついている例外)

1・ 具

もつ焼きの種類はたくさんあるけど、まず具を選ぶのだ

カシラ----頭・コメカミの部分、ジューシーなのだ
ハツ-----心臓なのだ
ガツ-----胃・肉厚な白ガツと薄めの黒ガツがあるのだ
ナンコツ--軟骨なのだ
レバ-----肝臓なのだ。ナマも最高なのだ
シロ----小腸なのだ
アブラ---背アブラ。意外にさっぱりしているのだ
ツル----おちんちんなのだ(-。-;)(スペシャル・メニュー)

どこの店でも同じような具?でも「宇ち多"」の場合、やや大きめではないかと思うのだ。

いちばんはじめに売り切れるのは、ツルで、以下はカシラ・ハツ・レバ・ガツ・アブラ・ナンコツ・シロの順だと思うのだ(推測なのだが・・・)

σ(^o^)の場合、その時々で凝っている具があって、今はカシラ素焼きお酢とガツなのだ!みんなはジューシーな肉厚の白ガツが良いと言うけど、σ(^o^)は黒ガツのやや固めの感じが気が入っているのだ。ちなみに以前はナンコツにムチュウだったのだ。

2・ 焼き方

他の店になさそうなのは素焼きとミソ?

塩-----ご存じの焼き方。辛塩・薄塩ってのもできるのだ
タレ----濃厚な味ですのだ
素焼き--普通に焼いて醤油風のタレ付き
ミソ-----煮こみのミソを焼いた具に付けるのだ
ナマ----ボイルした具をそのまま(レバのみホントの生)

その素焼きなのだが、わか焼きがたいへん合うのだ。

とくに「シロ素焼きわか焼きお酢」は絶品!ミソは来店が遅くなり、煮込みが売り切れてしまった時など、代用として注文するとよいかもしれないのだ。「アブラ」や「シロ」によく合うのだ。

3・ 焼き具合

けっこうみんな焼き具合にもうるさいのだ(^_^;)

普通焼き--何も言わないと普通に焼くのだ
よく焼き---よく焼くのだ(ウェルダン)
わか焼き---軽く焼くのだ(レア)

宇ち多に慣れてくると、好みの焼き具合を言いたくなるようで、注文が長くなったりしやすいのだ。通はわか焼きを頼むけど、タレにはよく焼きが香ばしくてよろしいのだ。

4・ お酢

これはもう、好みでかけてもらってくださいなのだ。
でも、タレ・ミソにはかけないほうがいいのだ・・・・(^_^;)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ねっ、ねっ、なにがなんだかわからないが、とりあえずビールも入ったし、テンション一杯のお店のアンちゃんに勇気を出して注文。

「レバ、若焼き、塩で
 タンナマありますか、あっじゃそれも、お酢で
 あと、カシラね、塩で」

ふっっっっっ、言葉が通った。

素人っぽく見えるのを嫌うたちのワタシは、ここではもう開き直って教科書通り言ったのが良かったのが、寿司屋の旦那みたいに客をさばいているアンちゃんに、なんのおとがめもなく伝わったので、ほっと、、

そのあんちゃんに、幅40㎝ほどで向かい合っている常連二人が、酒はもうおしまいだと怒られている。

いや~、あと1杯残っているはずだけどと、お決まりの5杯半までの残数を訴える客に対し、アンちゃんは酔っぱらいが数えたって間違うから俺が全て数えているんだよ、間違いないよと頑として受け付けない。

アンちゃんは酒を注ぎながら、限界数の5杯半を越えないように、そして酔っぱらいすぎていないかをチェックしているのだ。

なお、「宇ち多」はほろ酔い客は入れないそうである。

・・さて、酒をその5杯半で打ち止めの「ウメ割り」(客の9割がたこれですね)に切り替え、皿を重ねて「宇ち入り」を楽しむ。

串焼きと網焼きの違いはあれ、いや~、たいへん勉強になりました。

タンナマもガツナマもおいしいこと。

このナマってやつがスゴイ。

軽く茹でてあるんだけど、これは「マネ」したいな。

シロもレバーもカシラも文句無し。


さて、我々はまだまだ宿題の山を崩さなければいけないので、残念ながらウメ割り1杯で席を立つ。

次は・・・・・・



「宇ち多」の裏口から出て、すぐ先の「ミツワ」。

こっちは5時開店で、並んだのが5時10分。

すでに10人ほどの列。

一順目が席を立つまで小一時間ほどあろう。

あきらめて、次の目的地に向かうか・・