ヒルトン受刑者再収監，それでもアメリカの刑務所はまだまし

ヒルトン受刑者が健康上の理由で一度釈放となりましたが，裁判所はこれを認めず再収監となったようです。

再収監「こんなのおかしい！ママ！」　ヒルトン受刑者、泣き叫ぶ(産経新聞) - goo ニュース

アメリカの法制度は複雑だなあ

この問題，前提として日本の尺度で見てはいけません。日本の司法制度とアメリカの司法制度には似て異なる部分があります。
今回の場合，アメリカでは「刑務所に変えて自宅軟禁」という制度が存在します。そして，この措置は一時的には郡保安官が決めることができるのです。
この郡保安官というのが微妙な立場で，日本でいうところの「警察官＋検察官＋保護観察官÷３．１４」みたいな位置づけになります。したがって，今回の件を日本の尺度で無理矢理語るとしたら，「保護観察官による保護観察を条件に仮釈放を決定した」みたいなイメージなのです。
当然，司法と言うよりも行政的側面が大きいため，おかしな憶測が飛び交っても無理もないのです。

ただ，今回の件，ヒルトン受刑者を釈放した理由として「刑務所暮らしになれなかったことから心身上の障害が出た」と説明しています。
もちろん，大前提として快適な刑務所など存在しません。したがって，セレブ暮らしに慣れた人間にとって，刑務所の生活は「人間以下の暮らし」と見ても仕方ないでしょう。ただし，だからといって刑を免除するのは相当ではありません。
とはいえ，実はアメリカの刑務所ライフは，実はまだましな方です。なにしろ，不思議に感じた人がいたかも知れませんが，刑務所暮らしがしんどいという話は，「本人が刑務所から電話をかけてきて泣きながら話した」ということですが，刑務所にいても電話も手紙も自由にできるのです。当然テレビもOK。もっというと，親族との面会もかなり自由で，夫婦の場合は「配偶者のお泊まり」も許されるのです。
一方，日本の刑務所はかなり厳しいです。電話はもちろん不可，テレビは１級受刑者のみ許され，しかも番組は刑務所側で指定，時間も１時間程度です。親族の面会は月１回程度と制限され，親族以外の面会は原則不可です。もちろん，配偶者のお泊まりなどあり得ません。むしろ，下ネタですが自慰行為ですら処罰対象になります。
食事だって，麦飯で最低限のカロリーしかありません。食事を残すのは自由ですが，他人にあげるのは禁止で，これが見つかると処罰されます。
お風呂は週２回で，１回１５分程度です。
他にもいろいろありますが，何しろ日本の刑務所はアメリカより厳しく縛られています。
したがって，ヒルトン受刑者，もし日本の刑務所だったとしたら，もっと大変なことになったかもしれませんね。

いずれにしても，やっぱり彼女は基本的には「不思議ちゃん」ですね。

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