あれは,あれで良いのかなPART2

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F1知らんぷり,じゃ困ります

2008年05月26日 01時14分21秒 | 裁判・犯罪
去年9月に富士サーキットで開催されたF1日本グランプリの観客130人が,運営に不手際があったとして,富士サーキットに対し,慰謝料やチケット返還代などの総額4000万円の支払を求める集団訴訟を提起する準備をしているそうです。
富士サーキット側も,不手際を認め,54人に対し,チケット代を返還しているとのことです。

F1観客130人が来月中旬に提訴(産経新聞) - goo ニュース

イベント運営はいろいろなことを考えるべし

富士サーキットの日本グランプリ,残念ながらライブで見ることができませんでした。レースそれ自体は,後でダイジェストをみると,ウェットレースになったことからクラッシュが多発してセーフティーカーが入るなどかなり激しいレースだったようです。
一方,観客は,レースの内容とは裏腹に「かなりおかんむり」だったと聞いています。
まず,レース場内のトイレが少なかったこと,食事どころがなかったこと,客席からレースが見えなかったこと,アクセスバスが全く来なくて数時間も待たされたこと,乗ったバスが全く動かずバス内で粗相をしてしまった方が多数出てしまった等々,かなりぐじゅぐじゅな運営だったようです。
そのような背景を踏まえると,今回の訴訟は,決して「単なるわがまま」ではなく,「本当に苦痛なイベントに行ってしまった。こんなぐじゅぐじゅだと分かれば最初から行かなかった。」というやむにやまれぬ事情での提起であるものと思われます。
もちろん,具体的にはどのような訴状が出され,富士サーキット側がどのような答弁をするのか,さらにそれに対して裁判所がどう判断するのか,蓋を開けてみるまでは分かりませんが,少なくともこのニュースから言えること,それは「イベントといえども,いい加減な運営は訴訟の対象になりうる。」ということです。
イベントというと,主催者側はとかく「メイン部分」にのみ目がいってしまい,周辺部分がおざなりにされてしまうという傾向にあります。今回の例でいえば,F1レース自体を円滑に進めることを中心に考えてしまい,「観客にとって大事なことは何か」という点についての検討が少々甘くなってしまっていたといえます。
しかし,イベントの成功例を見ると,「メイン部分はもちろん,サブの部分にも十分気を使っている」ものがほとんどです。観客の動線について十分考えているか否かで,イベントの成功や観客の評価は決まります。例えば,東京ディズニーランドに仮にトイレもレストランも1カ所しかなく,駐車場の出入り口が1カ所だけだったとしたらどうでしょうか。確実に評価は今の1割くらいにまで落ち込むのではないでしょうか。
のみならず,サブ部分の検討をいい加減にすると,観客の生命身体に対する危険を伴う場合すらあります。今回のF1も,仮に8月に開催されていたとしたら,確実に熱射病で倒れる人が多発したでしょう。また,過去には明石市の花火大会で観客が将棋倒しになって死者がでたという事故もありましたが,これも「花火の成功」に目がいきすぎて,サブ部分たる「客目線」の検討が不十分な結果といえます。
むしろ,「メイン部分よりもサブの部分を充実させる」方が,観客の評価は高くなるでしょう。快適に参加できたという気持ちの部分で,イベントに対する好印象になると言えるでしょうから(もちろん,メイン部分がぐじゅぐじゅだと,そりゃ話は別ですが。)。

富士サーキットでは今年もF1が開催されます。去年の問題を踏まえていろいろな改修,改善策を講じるようです。ただ,「客目線」での改善がされない限り,同様な問題は確実に残ります。是非とも,「客目線」を忘れないでほしいものです。
また,これは他の各種イベントでも言える話です。これから,花火大会とか祭りなどイベントの準備に入ることが多いでしょうが,是非とも「メイン部分」だけではなくサブ部分たる「客目線」を視野においてイベントの計画を立ててほしいと思います。イベント成功の秘訣ですよ!

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