あれは,あれで良いのかなPART2

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スキーバス事故,これもある意味「格差社会」かも

2007年02月20日 01時09分03秒 | 事故
スキーツアーバスが事故を起こし,添乗員の16歳(運転手の弟)が死亡するほか,乗客26人が重軽傷を負う惨事となりました。
調べによると,バスの運転手(21歳)の居眠り運転ではないかとことですが,警察は更に過労運転等もあり得るとして引き続き捜査するそうです。

運転手「居眠りした」、過労か バス会社、ほぼ家族経営(朝日新聞) - goo ニュース

主催者との関係は?

まず,理由の如何を問わず,過労運転は飲酒運転同様大変危険な行為です。一歩間違えば,他の自動車などを巻き込む大惨事になりかねないからです。
実際,ある中小企業の運輸会社では,恒常的に事実上過労運転を強要し,結果ドライバーが大事故を起こしました。このドライバーは実刑となり,会社や代表者も刑事処分を受けるという事例もあるくらいです。
したがって,いかなる場合であっても,安全第一を心がけるのがプロのドライバー,そして自動車を扱う会社としての当然の助動詞「べし」と言えます。

とはいっても,現実の社会では,なかなかそんなきれい事は言ってられません。先の運輸会社の場合も,何も好きこのんで過労運転を強要していたわけではなく,取引先からの厳しいノルマや低料金でやりくりしなければならない会社の事情などもあり,結果ドライバーに無理を強いることになったわけです(もちろん,だから無理強いが許される,という意味ではありませんが。)。
今回のスキーツアーバスも,主催者は別の旅行代理店であり,このバス会社はそこからいわば下請けとして仕事をもらっていたに過ぎません。とすると,基本的なノルマはすべて「旅行代理店の意のまま」であった可能性が高いです。当然,下請け会社は仕事を断れるはずがありません。なぜなら,「仕事を断る=仕事がなくなる」という方程式が普通に成立しているからです。
とすると,もしかしたら,過労運転の原因を作ったのは,バス会社ではなく,旅行代理店の方にあるかもしれません。
現在,旅行代理店側は,未成年者が添乗員となっている点も含め,過労運転に関しては「全く知らなかった」と主張していますが,この点も今後,警察の捜査で実体が明らかになってくることでしょう。

いずれにしても,今回の事故は,このような「下請けの悲劇」による可能性が考えられます。とすると,この事故は「格差社会の縮図」であるといえるでしょう。
政府は格差社会是正に取り組むようですが,このような「大手と中小との関係」までしっかり踏み込んだ上で是正対策を考えてほしいものです。
ただ,「大手企業とタッグを組んでいる与党」で,どこまで格差社会の具体的是正政策を打ち出せるのか,注目ですね。

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6 コメント

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私見では... (テツ)
2007-02-20 05:38:09
規制緩和がいけなかったのかなと....。

免許制から、登録制に変わったからかなあ。

あまり何でもかんでも規制緩和しすぎて、百貨店の合併やらに伺い知るように、日本の企業はある程度の力がないと、海外の富豪にさらし首状態になっているような気がします。

だれやねん、あっ竹中やったかな、何でも規制緩和したのん
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TBありがとうございます (書記長社労士)
2007-02-20 09:30:34
観光バスは2000年、路線バスとタクシーは2002年に参入と運賃が規制緩和になりました。

参入は許可制にして、運行の実態は事後審査でチェックとして規制緩和しましたが、その事後チェックの制度が機能していないのですから、この様な事故を未然に防ぐことは出来ませんよね。
交通運輸には、一定の再規制が必要だと思います。
交通運輸の事故は、事業者だけの被害では済まないですから。
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テツさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2007-02-21 01:11:00
こんばんは。
規制緩和って聞こえはものすごく良いですし,使い方如何では本当に活力が増すのですが,何でも規制を緩めると,絶対登場してくるのが「アウトローな奴ら」です。
バスなどの交通機関の場合,アウトローな奴らが出てくると,人命にも関わる大きな問題が想定されます。
そういう点も踏まえて,規制緩和と規制の強化,正面から検討する必要があるでしょうね。
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書記長社労士さま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2007-02-21 01:13:23
こんばんは。
規制緩和の反面,官庁には「チェック」という仕事が増えてきました。しかし,チェック機関に対する認識は低く,人もものもなかなか増えないのが実情のようです。
チェックが難しければ,やはり規制に走るしか,っていう気もします。
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どちらで規制するか (ともっち)
2007-02-21 15:45:32
難しいですよね。

結局、規制緩和って新規参入を容易にするという
目的ですからチェックが甘くなって当たり前みたい
なところがある気もします。

それとバス運転手の労働状況ですが
朝についてその夜に出る・・・
どこの会社でもそうですよね。
長距離になればなるほど・・・・・

朝、某局のワイドショーで突っ込んでいましたが
所詮はバスは経費節減で表れたもの・・・
だからこそリスクもあるのでしょうって
考えるしかないのでしょうか・・・
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ともっちさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2007-02-22 00:16:14
こんばんは。
規制緩和における新規参入は,「競争の容易か」すなわち「競争によるレベルアップの期待」にあったのですが,結局無理な競争を招き,質を落とす羽目になっているのがバスに限らず多くの業界の現状といえるでしょう。

また,バスツアーは確かに安くできますが,当然のことながら「安全と安心」が付いている物だと思っているはずです。リスクと考えるのはどうなのかなあ,っていう気もします。
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