あれは,あれで良いのかなPART2

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危機管理能力に乏しかった日本という組織

2009年04月05日 00時16分41秒 | 災害・危機管理
北朝鮮のいわゆるミサイル問題について,防衛省が「発射した」との一方を流したが,その後すぐに誤報であると訂正しました。しかし,報道機関や自治体などではミサイル発射情報を流してしまったことから,一部に混乱が生じたようです。
また,この誤報の原因は,機械上の問題ではなく,防衛省担当職員の勘違いという人為的ミスであると発表し,謝罪しました。

「勘違い」伝達、誤発表に=速さ重視、確認追いつかず-防衛省(時事通信) - goo ニュース

誰も練習をしていない分野だった

この件については,正直,私は「別に理由がある」と思っていますが(前回の記事を参照してください。),とりあえずここでは政府発表が真実であるという前提で話を進めたいと思います。
今回の誤報,原因は人為的ミスということですが,そのミスを誘発した原因は,「とにかく早く国民に発表したい」という迅速性を重視した点にあります。
もちろん,迅速性の重視が悪いという意味ではありません。例えば,緊急地震速報や津波警報などについては,とにかく迅速性が重視されます。その結果,津波警報などでは,「なーんだ,たいした津波来なかったじゃないか」などと批判を受けていますが,しかし,それが本当に大きな津波であるとすれば,人命に関わる話なのですから,広めに発する意味での多少の誤報はやむを得ないと思います。
であるとすれば,今回の誤報についても,迅速性を強調するのであればやむを得ないといえるでしょう。
ただし,今回の誤報は,迅速性を強調しても「十分に防げる内容」であったといえます。つまり,「人為的ミス」の部分については,「確認作業を怠った」というイージーミスであったからです。
では,このようなイージーミスがなぜ発生するのでしょうか。それは,「練習不足から来る手順を覚え切れていない」ということです。
おそらく,当然の話ですが,かなり詳細な手順マニュアルや,万一の時の危機管理マニュアル自体はできていると思います。っていうか,それができてなかったとしたら,話になりません。
しかし,いざ緊急時という場合には,そのマニュアルを眺めている暇はありません。つまり,手順書どおりのことを瞬時に行う必要があります。そして,それを瞬時に行うためには,「練習」あるのみです。
今回の場合,おそらくこうした練習というか訓練をほとんどしていなかったのではないでしょうか。実際,報道機関や地方自治体では,前日に初めてシステムの確認をしたなどというところも多かったはずです。そして,地方自治体側も,今日の情報を受けたはいいが,その後どう動いていいのかよく分からず右往左往した,というところも多かったようです。っていうことは,「訓練ができていない」ということの裏返しといえるでしょう。

もっというと,その情報を受けた私たち国民が何をするべきなのか,ほとんどの人が分からなかったのではないでしょうか。実際,私も何をどうしたらよいのか分かりません。
多くの自治体では「防災計画」を策定していますが,ここではあくまでも「地震,雷,火事,洪水」という自然災害を想定しているにすぎず,有事のことを想定していません。
有事については,「国民保護法」に基づく計画で行動することを想定しているものの,ここではあくまでも「行動統制」がメインにあり,「どこに避難するべきか」などについては,ほとんどの自治体では練りきられていません。当然,核シェルターや防空壕の整備は皆無といっていいでしょう。
したがって,有事の訓練をしている自治体は皆無なので,当然,今回のような事態に対し,私たちもなすすべがないのです。

「憲法9条があるから戦争はしない」ということと,「どこかの国やテロリストが攻めてくるかもしれない」ということは,普通に両立する話です。したがって,憲法問題とは切り離して,「有事のための訓練」をしておく必要があるのではないでしょうか。訓練といっても,別に銃を持って戦いなさい,っていうものではありません。「円滑な避難」,ここに主眼があるのです。
平和ボケしていると揶揄されないためにも,有事のための危機管理対策はしっかりと講じておくべきです。それこそが,「国民保護」にあるのです。

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