崖っぷち犬の救助，もしもの話

徳島県で，がけに取り残された犬が２日かかりで無事救助されたということが報じられています。一部メディアでは，生中継で救出シーンを報じていました。

７０ｍのがけから犬救出　徳島、２日かけ(共同通信) - goo ニュース

関係者の皆様，本当にお疲れさまでした

それよりも，まず「人生崖っぷち」の私を誰か救助してください。

さて，今回の報道で，「犬の命といえでも，一つの命に変わりはない」という姿勢が多くの方に伝わったのではないでしょうか。この内容が今いじめという犯罪行為をしている連中や，自殺しようとしている人たちに少しでも伝わり，少しでも改善できれば意味のある行為と報道であったのではないかと思います。そのためには，マスコミももう一息頑張って，「犬助かって良かったね」だけではなく，こういうった命のあり方等こじゃれたコメントの一つでも流せばよいのでは，と思います。

もちろん，シリーズ「税金の無駄」とか「夢中に報道する価値なし」という批判もかなりあるようですが，この辺はご愛敬でしょう。マスコミもこれだけ集中して報じることができるということが分かった以上，政治家スキャンダルの時は，同じような体制でつっこめることを期待して良いのではないでしょうか（苦笑）。

ところで，今回のニュースから，もしも次のようなことになったら，一体どうだったのか，何となく気になります。みなさまはどう思いますか。

１　もしも救助に失敗して犬が死んでしまったとしたら
　　今回は，無事救助ということで，レスキュー隊に対し，惜しみない拍手が寄せられています。
　　しかし，もし，今回の救助が失敗して犬が死んでしまったらどうだったでしょうか。それでも，レスキュー隊の方に「ご苦労様」といえるでしょうか。それとも，罵声を浴びせるでしょうか。
　　私見としては，少なくとも後者はあり得ないと考えますが，今の日本，結果主義であることからすると，ひょっとしたら「レスキュー隊非難」が始まったのかもしれない気がします。さらには，「もしこれが人だったらどうするの」というおよそ比較の対象としては困難な批判が寄せられたかもしれません（後述のとおり，犬と人の救助方法は同列に語れません。）。
　　人の気持ちって，意外とこんなもんでは？

２　もしもこの犬のもらい手抽選にはずれた場合
　　今回の犬について，既に多くの引き取り手が名乗り出ているそうです。動物愛護センターでは，回復をまって確実に育てられる買い主かどうかなどを踏まえて決定するとのことです。
　　おそらく，今回名乗り出た方はすべて「無類の犬好き」であると考えます。であるならば，もし抽選ではずれた場合でも，徳島の他の「野犬」を引き取って見るというのはいかがでしょうか。もちろん，予防注射や基礎訓練など今回の犬同様の措置はとってからの話ですが。
　　是非ご検討ください。

３　もしもがけに取り残されたのが「犬」ではなく「人」だったら
　　当然ながら，「もっと早く助けろ」という非難が集中したのではないでしょうか。
　　もっとも，人であったとすれば，今回の犬と違って，意思疎通が行えることからレスキュー隊から逃げることはしないでしょうから，もっと早く救助できたとは思います。
　　ただ，例えば「日本語が分からない密入国外人で，レスキュー隊を自分を逮捕しに来た警察官だと勘違いしている」人の場合や，「自殺願望があるが，死にきれず，さりとて助けてほしくない」というかなり異常な心理状態にあった人の場合はどうでしょうか。
　　こうなると，逆に犬以上に救出は難しいかもしれませんね。

以上。犬救助ニュースから，もしもの話として話題をふくらましてみました。

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