「道場」
わたしが
昨日に留まったことはない
そこで鳴いたことはない
わたしは今日にしかいない
明日を生きることもない
今日を生きているあいだで
明日へ行ったことはない
行けるはずもない
わたしは常に今日の主人公
吸っているのは今日の空気
まっさらな最上等の空気
古くなった空気を
吸わせられたことなどない
その最上等のわたしを生き
そこにしっかり腹を据えて
何処にも行かない
昨日にも明日にも行かない
わたしは今此処といふ
清らかな道場にいつも居る
わたしは芋の葉に座る青蛙
五月を広げてみせる大空が
ただただまぶしい
(20字x27行)
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