よろこびをよろこんで、それでどうしようというのでもない。
にこりとして、そこでおしまい。
ここがいい。
何を喜んでもいい。
どうぞどうぞしている。
あなたの好きなだけ好きなように、という具合に、どうぞどうぞしている。
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案外、何でも喜びになる。
大小を問わなければ、だが。
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雨が降って、大地を潤しているのを見る。これもよろこびになる。
風が吹いて、夏の木陰を爽やかにしていると、これもまた、よろこびになる。
光があたりを明るくしてくれている、これもよろこびになれる。
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安上がりなお爺さんだ。あたりからふんだんに喜びをもらって来て、にこにこにこりとしている。
タイガーマスクメロン、2個目をみっけ!
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雨が降って、メロン苗が蔓を四方にぐんぐん伸ばして来た。緑の葉っぱがいかにも健康そうだ。
蔓の間に生えて来た雑草を抜いて上げた。するとメロンが蔓に実を着けていた。まだ小さいけど。発見が嬉しい。
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嬉しい発見を、よぼよぼのお爺さんに、提供してくれたメロン苗さんに感謝だ。
終日家の中にいるのは気詰まり。上手い具合に雨が止んだので、作業着に着替えて外に出た。蚊取り線香を腰にぶら下げて。
午後3時から5時まで、畑に出て農作業をした。途中で雨が降り出してきたが、作業を続行した。農作業と行っても、たいしことをしていない。
昨日の風雨で、鈴なりのミニトマトが倒壊してしまっていたので、支柱を補強して助け起こしてあげた。どっさり赤い実を収穫した。助け起こされたミニトマトさんがよろこんだろう。
その後は、オクラの畑、落花生の畑の草取りをした。抜いた草はバケツに集めて、何度も枯れ草の山に捨てに行った。お爺さんがしばらく畑に遊んでもらった、って感じだ。ま、これで退屈が凌げた。
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下着までズブ濡れになってしまった。重たくなった。風呂場に直行して、シャワーを浴びた。石鹸で体をゴシゴシ洗って、爽やかになった。(娘っこではないお爺さんは、しゃれたシャンプーを使わない)