新聞の購読者、特に宅配形式の購読者は減る一方だそうな。駅の売店でもコンビニでも買えるし、ネットで紙面も読める。ニュースの新しさではTVやラジオ、ネットには勝ち目がないが、新聞を読むのが好きという人は一定数いるようだ。
我が家でも夫が新聞を購読しているが、読むのではなくただ見ているだけで、内容は頭に入っていない。先日は選挙の候補者の意気込み、なんて記事を見ていたので、本当に読んでるのか試しに質問をしてみた。
どの候補者が良いと思ったか尋ねてみたら、「井上が良い」という。
我が家の居住地に井上なんて候補者はいない。ザーッと紙面の斜め読みをしているので、下の方に出ていた他の選挙区の候補者の広告が頭に入ったらしい。
まあ新聞をどう読んでもいいけれど、読んだ後に新聞を畳まずにバサっと放り出すのはやめてほしい。何度か話し合いをした結果、夫は新聞とチラシを片づける役目を引き受けてくれたのだが、相変わらず部屋のあちこちに新聞とチラシを撒き散らし、猫が飛びついてすごい有り様である。
夫が靴下を脱ぎっぱなしにしていても腹は立たないが、新聞を畳んでくれない事には無性に腹が立つ。俺がやるやると言って一向にやらないのもムカッとする。
そんなバカバカしい争いをしていたら、夢を見た。居間に誰かいて、ゴソゴソ物音がする。覗いてみたら、夫の母である。この人は時々私の夢に出てくるのだが、大抵着物やスーツ、ワンピースで出てくる。きれいにお化粧をし、おしゃれな格好がほとんどなのだが、普段着に割烹着姿でせっせと新聞紙を束ねていた。
あら、おかあさん、と声を掛けようとして目が覚めた。
息子も嫁も、こんなに散らかして、二人とも片づけもしないで寝てしまって、しょうがないわねえ。と見かねてあの世から来てくれたのかもしれません。
おかあさん、ごめんなさい。とお詫びの気持ちを込めて、夫の朝ご飯とお弁当のおかずをちょっと豪華にしました。
夫におかあさんここに座って新聞片づけてたわよ、と話しましたが、夫はふーんと意に介さず、新聞をきれいに畳んだりせずにバサっと放り投げて出勤していきました。
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