途中過程

岩をも砕くのは、強い拳ではなく年月の重みだ。
砕ける岩は、年月を経てもろくなった岩であり、そこまで待つか、そのような岩を見つけるか、あるいは人力以外の何かの力を借りるか、いずれにせよ忍耐力なり工夫が必要となる。
不可能が可能になるときには、ちゃんとした理由や背景がある。
途中過程をすっ飛ばしてできるようになる、と思うのは念力を信じているのと同じだ。
念力を使えるのは、物語の中に出てくる者たちだけであり、私たちは途中過程をすっ飛ばして何かができるようになることは、ない。
その意味において、大変に地味なのだが、同時に、そこにやりがいが生まれるというものだろう。