なんでそうなるのか

青森県八戸市で公務員試験塾オクトを主催する岡政也のブログです。

抽象化の限界

2013-06-17 14:15:55 | インポート
 一つの事象、現象について、ある要素を抽出し、他の要素との関連性を探っていくのが自然科学の手法である。
この方法は万能だろうか。

 例えば、社会契約論では「自然状態」という状態を想定する。人間社会に統治機構が備わっていない状態だ。
ホッブスは「万人の万人に対する闘争」状態になるとするし、ロックは「一応の平和は保たれるが所有権をめぐっての争いが生じる」とする。
 どちらが正しいのか。

 しかし、人間社会の変化と、統治機構の成立は不即不離だ。切り離して考えることはできるのだろうか。
 
 ホッブスやロックの偉大さを認めるのにはやぶさかではないが、分析を拒むものまでにそのメスを入れ、不毛な議論をしている分野が多々あるように思う。今の歴史をめぐる見解もそうした面があると思う。