出自

　自分の祖父は四国香川県の出身だった。私の姓は岡というが、ここ八戸ではあまり聞かない。一方、香川県では多いらしい。
いつか香川に行ってみたい、と思うのだが、なかなか実行に移せないでいる。
　
　先祖が四国出身であることと、自分のアイデンティティの間に、つながりはそれほどない。なんとなく、じゃあ一度は行ってみたいなあ、くらいでしかない。

　それは、出自を強くプライドに思う教育を受けなかったからかもしれない。これにはプラスとマイナスの面がある。
マイナス面は、プライドを形成していく際、核となる部分が弱い、ということだ。個人的体験をもとに築きあげるしかないのだが、その際、地域や家族ではぐぐまれてきた強いつながりがあると、芯の強いものになる。個人的体験だけでは、モルタルの表層だけ、の感がある。

　プラスの面は、排他的ではない、という点か。今のご時世、出自にこだわり、偏見に固まっている人々の報道を見るにつれ、残念でならない。