ゆっくり温泉にでも

　忙しいときや疲れているとき、決まって出るのがこのフレーズ。いや単に口にするだけではなくて、事実心底そう思う。ゆっくり温泉につかりたい。
　では、温泉がそんなに好きかというと、実はそうでもない。長風呂が苦手なので、せっかくの大浴場もあっという間に出てしまう。
温泉好き、の友達から見れば、なんともったいないことをしているのだろう、となる。

　それでも、どっぷり疲れがたまっているときは、「ゆっくり温泉にでも」という気持ちに、自然になるから不思議だ。たぶん、リラックス、ゆっくり、の象徴として心の深い場所に刻まれているからなのだろう。
　
　似たようなものに、「コーラのコマーシャルに登場するほどさわやかな若者」というのがあったが、あれは今の若者どうなのだろう。我々、つまり70年代から80年代に二十歳前後であった世代なら、これもまた強力に刻まれているイメージだと思う。