『パーカー・パインの事件簿』(新訳版)創元推理文庫ー2021/7/29
”Parker Pyne Investigates”
アガサ・クリスティ(著)、山田順子(翻訳)
”Parker Pyne Investigates” は1934年に刊行されたアガサ・クリスティによる推理小説短編集です。
内容:
「あなたは幸せですか? 幸福でないかたはパーカー・パインにご相談ください」そんな奇妙な新聞
広告を見てオフィスを訪れる、夫の浮気を疑う妻や、退屈した退役軍人などの悩みを、パーカー・
パインはいっぷう変わった方法で、次々解決する。そしてオリエントへの旅に出た彼は各地で事件
に遭遇し、見事犯人の正体を見破っていく。官庁で統計をとっていたという異色の経歴の名探偵が
活躍する作品14編を収めた短編集、新訳決定版。
中年の妻の事件
無聊をかこつ少佐の事件
悩めるレディの事件
不満な夫の事件
ある会社員の事件
大富豪夫人の事件
ほしいいものはすべて手に入れましたか?
バグダッドの門
シーラーズの館
高価な真珠
ナイル河の死
デルフォイの信託
ポーレンサ入り江の出来事
レガッタレースの日の謎
この作品は本当に大昔に読んだので、全くと言っていいほど覚えていませんでした。
以前読んだ版は『パーカー・パイン登場』となっていたと記憶していましたが、新訳版が出たのを機に
本当に久し振りに再読しました。
パーカー・パイン氏は厳密に言うと”探偵”ではありません。
官僚として35年働いてきた経験を元に、”統計”により人の不幸を分類し、依頼人の不幸を取り除くのを
仕事としています。
「人の不幸は5つに分類できるという」と考えるパインは、依頼人の抱える不幸を読み取り、どんな方
法で彼等の悩みを解決するかと言う対応で、依頼人に色々と指示を出します。
彼のお膳立てした指示に従って行動するうちに、依頼人はいつの間にか不幸の原因が取り除かれている
事に気付くのです。
その為に、パインは様々な人材を投入します。
遊び人風なハンサムな若い男性(クロード・ラトレル)、目を見張る様な若い妖艶な美女(マドリーン・
ド・サラ)等。 彼等はパインの協力者であり、依頼者によりそれぞれの役割を演じるプロフェッショ
ナルなチームなのです。
スタッフの中には、後にポアロの秘書となる。秘書のミス・レモンや、同じくポアロの作品にも登場す
るアリアドネ・オリヴァ夫人等も含まれていて嬉しくなります。
前半の6作品は、パインがスタッフ達の力を借りながら 相談に訪れた依頼人の悩みを克服できるような
状況を作り出し、それに従った依頼人たち本人自ら解決する様に導きます。
後半の6作品は、休暇旅行で中東を旅行中にパインが遭遇した事件を解決するトラベルミステリとなって
います。
又、最後の2作品は旅先での盗難事件等を解決する。
といった内容になっています。
クリスティは2番目の夫で考古学者あるマックス・マロ―ワンの発掘に何度か同行して中東地方を訪れた
事実に基ずき、ポアロが登場する何作品でも中東を舞台にした作品を書いています。
謎解きというより、人間の心理を探り、それに基づき依頼人の悩みを解決するという 心を読む探偵と
いう事になるのでしょうか。
それぞれの作品の結末は鮮やかで、ホッとさせられます。
パーカー・パインが登場する作品は少なく、ここに収められている14作品のみという事で残念な思いも
あります。
ところで、
冒頭<はじめに>と序文で、クリスティが、レストランで昼食中後ろの席で統計について語る紳士に興
味を持ち、”禿頭でメガネをかけた紳士”がパーカー・パイン創造のヒントになったと語っています。
しかし、
文中にあるパインの外見描写、それにこの新訳の表紙を見て あれ?と思ったのは、既にご紹介しまし
た2月初放送の『アガサ・クリスティ-名探偵ヤルセン』の主人公である スヴェン・ヤルセンの外見
にそっくりなんです。
表紙の絵はドラマを意識していたのか?プロフィールから描くと似て来るのか?不思議です。
とは言え、ポアロも似てますけど。
”Parker Pyne Investigates”
アガサ・クリスティ(著)、山田順子(翻訳)
”Parker Pyne Investigates” は1934年に刊行されたアガサ・クリスティによる推理小説短編集です。
内容:
「あなたは幸せですか? 幸福でないかたはパーカー・パインにご相談ください」そんな奇妙な新聞
広告を見てオフィスを訪れる、夫の浮気を疑う妻や、退屈した退役軍人などの悩みを、パーカー・
パインはいっぷう変わった方法で、次々解決する。そしてオリエントへの旅に出た彼は各地で事件
に遭遇し、見事犯人の正体を見破っていく。官庁で統計をとっていたという異色の経歴の名探偵が
活躍する作品14編を収めた短編集、新訳決定版。
中年の妻の事件
無聊をかこつ少佐の事件
悩めるレディの事件
不満な夫の事件
ある会社員の事件
大富豪夫人の事件
ほしいいものはすべて手に入れましたか?
バグダッドの門
シーラーズの館
高価な真珠
ナイル河の死
デルフォイの信託
ポーレンサ入り江の出来事
レガッタレースの日の謎
この作品は本当に大昔に読んだので、全くと言っていいほど覚えていませんでした。
以前読んだ版は『パーカー・パイン登場』となっていたと記憶していましたが、新訳版が出たのを機に
本当に久し振りに再読しました。
パーカー・パイン氏は厳密に言うと”探偵”ではありません。
官僚として35年働いてきた経験を元に、”統計”により人の不幸を分類し、依頼人の不幸を取り除くのを
仕事としています。
「人の不幸は5つに分類できるという」と考えるパインは、依頼人の抱える不幸を読み取り、どんな方
法で彼等の悩みを解決するかと言う対応で、依頼人に色々と指示を出します。
彼のお膳立てした指示に従って行動するうちに、依頼人はいつの間にか不幸の原因が取り除かれている
事に気付くのです。
その為に、パインは様々な人材を投入します。
遊び人風なハンサムな若い男性(クロード・ラトレル)、目を見張る様な若い妖艶な美女(マドリーン・
ド・サラ)等。 彼等はパインの協力者であり、依頼者によりそれぞれの役割を演じるプロフェッショ
ナルなチームなのです。
スタッフの中には、後にポアロの秘書となる。秘書のミス・レモンや、同じくポアロの作品にも登場す
るアリアドネ・オリヴァ夫人等も含まれていて嬉しくなります。
前半の6作品は、パインがスタッフ達の力を借りながら 相談に訪れた依頼人の悩みを克服できるような
状況を作り出し、それに従った依頼人たち本人自ら解決する様に導きます。
後半の6作品は、休暇旅行で中東を旅行中にパインが遭遇した事件を解決するトラベルミステリとなって
います。
又、最後の2作品は旅先での盗難事件等を解決する。
といった内容になっています。
クリスティは2番目の夫で考古学者あるマックス・マロ―ワンの発掘に何度か同行して中東地方を訪れた
事実に基ずき、ポアロが登場する何作品でも中東を舞台にした作品を書いています。
謎解きというより、人間の心理を探り、それに基づき依頼人の悩みを解決するという 心を読む探偵と
いう事になるのでしょうか。
それぞれの作品の結末は鮮やかで、ホッとさせられます。
パーカー・パインが登場する作品は少なく、ここに収められている14作品のみという事で残念な思いも
あります。
ところで、
冒頭<はじめに>と序文で、クリスティが、レストランで昼食中後ろの席で統計について語る紳士に興
味を持ち、”禿頭でメガネをかけた紳士”がパーカー・パイン創造のヒントになったと語っています。
しかし、
文中にあるパインの外見描写、それにこの新訳の表紙を見て あれ?と思ったのは、既にご紹介しまし
た2月初放送の『アガサ・クリスティ-名探偵ヤルセン』の主人公である スヴェン・ヤルセンの外見
にそっくりなんです。
表紙の絵はドラマを意識していたのか?プロフィールから描くと似て来るのか?不思議です。
とは言え、ポアロも似てますけど。
でしょ?居るでしょ? 誰とは言いませんが(ひつこい)忘れちゃいけません。
やはり覚えていらっしゃらないクチですか?
私もタイトルは覚えていたけど 内容は全くと言っていいほど覚えていませんでしたよ。 なので、新たな気
持ちで新訳読み直しました。 そうです、短編だし、脳みそ酷使しなければならないストーリーではないの
で気楽に読めるし、後味が良いです。お試しください。
ね? パインさん似てるでしょ? あれ?っと思っちゃいました。
>頭脳明晰は若くてハンサムには居ない?
(爆笑)いや、居ますって。誰とは言いませんが。 禿げ頭+メガネ+ヒゲってクリスティ女史の好みのタイ
プなのかも?
短編ならばさらっと読みやすいし、また借りてみよう!
それにしてもイラスト似てますよね?頭脳明晰は若くてハンサムには居ない?