The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

新ロシア版 『名探偵シャーロック・ホームズ』 (1)

2016-03-14 | 海外ドラマ
― 新ロシア版 『名探偵シャーロック・ホームズ』 少しだけ感想です ―



昨年だったか、AXNミステリーで放映された時 何気なく見始めて嵌りました。
以前放映された同じくロシア版(リヴァーノフ版 ”シャーロック・ホームズとワトソン博士”)
はロシアで制作されたとは思えないほどヴィクトリア朝の雰囲気を描き出して英国女王から最高の
ホームズと称えられていた作品でしたが、確かに素晴らしい出来だとは思うものの個人的には今ひ
とつノリが悪かったのです。

せっかくなので 元祖ロシア版(リヴァーノフ版)に敬意を表して。



今回の”新ロシア版”と言われるシリーズは、2013年にロシアの国営テレビで放送されたテレビ
シリーズで全8エピソードからなる 総製作費1600万USドルと言う映画並みのスケールで制作され
た大作です。

撮影はロシア内のみ(サンクトペテルブルク及び近郊に大掛かりなセットを組んだとの事)で
ヴィクトリア朝のロンドンの雰囲気を出しています。

8エピソードタイトルは :
E1 : ベーカー街221B
Ë2 : 石 ハサミ 紙
E3 : 道化師
E4 : マルブレー卿の愛人
E5 : マスグレーブ家の儀式
E6 : 裏切り
E7 : ホームズ最後の事件
E8 : バスカヴィルの犬
以上の8エピソードからなっています。(原題はロシア語なのでサッパリ分かりません)

主な主演は :
シャーロック・ホームズ : イゴール・ペトレンコ
ジョン・ワトソン : アンドレイ・パニン
フィッツパトリック・レストレード警部  : ミハイル・ボヤルスキー
(何故かレストレード警部のファーストネームが ”フィッツパトリック”?なのです。
正典では ”G” と書かれているので、ジョージもしくはグレゴリーではないかと言われていますし、
BBC版ではグレッグでしたね。
そう言えば、グラナダ版ではどうなっていたかしら? 記憶にありません(汗)



左から、ホームズ、ワトソン、レストレード警部

この作品の大きな特徴は、ホームズが27歳、ワトソンが15歳年上とかなりの年齢差がある事。
若いホームズは メガネを掛け(レンズ汚れて曇ってるし)、無精ひげ、服装、身の回りにも
気を配らない 如何にも変人風だけど躍動感に溢れ 直観力に溢れ頭脳明晰ではあるけれど、
ヤンチャで未だ発展途上風。
飛びぬけて変人風。”High-functioning sociopath” (高機能社会病質者) としてはBBC版と
同じか上回るかも?



一方ワトソンは軍隊経験もある経験豊かな医師であり、あまり表情を変えないでいながら内面は
かなり熱い。
周りを考えずに突っ走るホームズには辟易としながら親子の様な関係を築き何くれとなく世話を
焼くやっぱりいい人ワトソンです。
何よりワトソンを演じているパニンが良いんです。
この作品に惹かれた原因の一つは このワトソンさんでしたね。
チョットした表情やしぐさがBBC版マーティンのワトソンとよく似ているなぁ、と感じる事がありました。

凄く上手い役者さんだと思いますが チョット調べてみたら(何しろロシアの俳優さんの知識は全く
ありませんので・・・)ロシアでは経験豊かで有名な俳優さんだそうですね。

なるほど、さり気なくユーモラスな演技は本当に素晴らしいと思いましたね。
残念ながら2013年に急逝なさったそうで(何と享年50歳という若さ)、とそんな理由もあり続編は
期待出来ない様ですね。 本当に残念です。



このシリーズでのレストレード警部はヴィジュアル的にもキャラクター的にもかなりインパクトが強い
印象があります。
ホームズが若いせいもあるのでしょうけど、他の作品の様に軽視される事も無く 立場的にも大き
な存在になっている様な感じがあります。





エピソード内容に関しては次回に触れてみる事に致します。



→ 新ロシア版 『名探偵シャーロック・ホームズ』 (2)





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