The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『モネ・ゲーム』2012年

2020-12-24 | 映画
”GAMBIT”




1966年の映画『泥棒貴族』(シャーリー・マクレイン、マイケル・ケイン主演)のリメイク作品ですが、
詐欺を企てる男の物語 という以外は殆んど新しい設定で生まれ変わらせたのは 脚本を担当したコー
エン兄弟。
印象派の巨匠モネの名作「積みわら」シリーズを題材に、アート界を巻き込んだ、これまでにないエレ
ガントでユーモラスなコメディー、と評されています。

因みに、原題の”Gambit” とは、チェス等で使われる言葉で 優位に立つための策。序盤の仕掛け。
といった様な意味を持つ言葉です。

監督:マイケル・ホフマン
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
出演:
ハリー・ディーン:コリン・ファース
シャバンダー:アラン・リックマン
PJブズナウスキーー:キャメロン・ディアス
ネルソン少佐;トム・コートネイ
マーティン・ザイデンベイバー:スタンリー・トゥイッチ


何と言っても、コリン・ファースのコメディーと聞けば逃すわけにはいきません。

概略は、
英国の美術鑑定士ハリーは、消息不明のモネの代表作「つみ藁」の贋作を使った詐欺を企てる。
完璧な贋作はネルソン少佐の受け持ち、又テキサスのカウガールであるPJを持ち主に仕立て上
げ、億万長者であるシャバンダーから15億円を奪い取ろうとする計画。







英国紳士然として自信たっぷりに計画を実行しようとするも ことごとく裏目に出て躓くハリー。
殴られ青タンを作ったり、サヴォイ・ホテルの明朝の壺を頂戴しようとして逃げる途中ズボンが
脱げても何気ない雰囲気でサヴォイの中を歩く・・・等々 コリン様散々なんですが、それでも
英国紳士然としてます。



自由奔放で天然のテキサスガールPJが意外な機転を利かせ、予想外の展開を繰り広げる。
ジャバンダーが別の鑑定士(ザイデンベイバー)を呼んだ事で、ハリーの計画は予期せぬ方向に
向かってしまう。

最後には思いがけない大逆転もあり、ハリーは懲りずに又もや次の計画を・・・・
相手は某国の現大統領(この作品の時点では大統領ではなく、大富豪として)。

オープニングクレジットはアニメ化されていて、昔の(大昔?)「ピンク・パンサー」を思い
出します。





一歩間違えると単なるドタバタコメディーになってしまいそうな展開ですが、そこはコーエン
兄弟が描くスタイリッシュな世界観と豪華で確かな出演者で 大爆笑ではないけれど、そこここ
にクスッとしたり、ニヤリとするエレガントでユーモラスなコメディーになっています。

何てったって、出演者が贅沢です。(特に、コリン・ファースがね←又言ってる)
故アラン・リックマンもヌードまで披露していますが、兎に角流石の存在感ではまり役です。

ただ、日本人ビジネスマングループの描き方がステレオタイプでチョット・・・なのですが、
これはまぁそんなもんか・・・の感じで。

あまり芳しくない評価も一部にはあった様ですが、個人的には楽しめるエンターテインメント
になっていると感じます。