知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

異議申立の引用商標の不使用取消

2007-10-28 20:03:36 | Weblog
事件番号 平成19(行ケ)10205
事件名 商標登録取消決定取消請求事件
裁判年月日 平成19年10月25日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 中野哲弘


『第4 当裁判所の判断
・・・
2 引用商標の不使用取消審決との関係(取消事由5)について
(1) 証拠(甲8,9の1~3,10)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,平成19年2月8日付けで引用商標に係る商標登録(登録第4442542号)について,法50条1項による不使用取消審判請求をし,同請求は特許庁に取消2007-300137号事件として係属するとともに,平成19年2月28日付けでその商標登録原簿に商標登録取消し審判の予告登録がなされたところ,特許庁は,平成19年6月19日,被請求人である訴外会社は何ら答弁をしないから,訴外会社は引用商標の使用をしていることを証明せず使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしないことになるとして,引用商標に係る商標登録(登録第4442542号)を取り消す旨の審決(別件審決)をし,同審決は平成19年7月30日に確定し,同登録は平成19年8月23日閉鎖されたことが認められる。

(2) そうすると,引用商標に係る商標登録(登録第4442542号)は,上記不使用取消審判請求の予告登録日である平成19年2月28日に消滅したものとみなされることになる(法54条2項)。
 しかし,商標登録が法4条1項11号に違反するかどうかの判断の基準時は登録査定時であると解されるところ,本件商標登録の登録査定日は,前記のとおり平成17年8月23日である(争いがない)から,そのときには,引用商標に係る商標登録(登録第4442542号)が,いまだ消滅していないことは明らかである

 原告は,本件決定の日である平成19年4月19日には引用商標に係る商標登録は消滅していたから同決定は違法であるとか,訴外会社による本件登録異議申立ては遡及的に申立ての利益がないことになるとか主張するが,本件商標登録が法4条1項11号に違反するかどうかの判断基準時は,前記のとおり登録査定時たる平成17年8月23日であると解されるから,原告の上記主張は採用することができない。』

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