知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

本件商標と引用商標との類否の判断手法

2007-09-29 17:14:17 | Weblog
事件番号 平成19(行ケ)10042
事件名 審決取消請求事件
裁判年月日 平成19年09月26日
裁判所名 知的財産高等裁判所
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
裁判長裁判官 飯村敏明


『なお,本件において,主要な争点は,指定商品が類似するか否かではなく,本件商標と引用商標とが類似するか否かである。そして,商標の類似性に影響を及ぼす取引の実情に係る事実関係と,指定商品の類似性に影響を及ぼす取引の実情に係る事実関係とは,考慮要素において共通する点があるものの,前者の方が後者よりも,多様かつ複雑であり,その審理範囲は広範である。審決が主要な争点である商標の類否について判断を省略し,指定商品の類否についてのみ判断をした点は,審理のあり方として適切さを欠いたものといえる。今後,再開される審判手続においては,本件商標と引用商標との類否について審理することになるが,その審理に当たっては,単に称呼,外観,観念のみを対比するのではなく,当事者の主張,立証を尽くさせた上で,確立した判例に沿って,「商品に関する具体的取引状況を可能な限り」明らかにして,それらの事実を総合して,両商標の類似性の有無を対比判断すべきである。』

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