知財判決 徒然日誌

論理構成がわかりやすく踏み込んだ判決が続く知財高裁の判決を中心に、感想などをつづった備忘録。

時機に後れた攻撃防御方法であるとした事例

2010-02-07 12:56:45 | 特許法104条の3
事件番号 平成21(ワ)6505
事件名 損害賠償請求事件
裁判年月日 平成22年01月22日
裁判所名 東京地方裁判所
権利種別 特許権
裁判長裁判官 岡本岳

2 争点(5)(対抗主張〔訂正審判請求〕)について
 原告は,第2の2(7)の経緯により平成21年11月19日付け原告準備書面(3)をもって,本件訂正発明には無効理由がなく,かつ,被告製品は訂正発明の技術的範囲に属すると主張し,これに対し,被告は,原告の上記主張は,時機に後れた攻撃防御方法であるから却下されるべきであると主張する

 そこで検討するに,原告は,既に第1回口頭弁論期日において被告らから乙6刊行物記載の発明が本件特許発明と同一の発明であるとして乙6刊行物を提示されたのに対して,両発明が同一ではないとの主張を終始維持し続けていたにもかかわらず(主張を変更することを妨げる事情は何ら認められない。),弁論準備手続終結後になって訂正審判請求をした上で,最終口頭弁論期日に,この訂正により乙6刊行物記載の発明には本件特許発明と相違点が生じ無効理由がない旨の上記主張に及んだものである。そして,このことについてやむを得ないとみられる合理的な説明を何らしていない。したがって,原告の上記主張は,少なくとも重大な過失により時機に後れて提出したものというほかなく,また,これにより訴訟の完結を遅延させるものであることも明らかである。

 よって,原告の上記主張は,民事訴訟法157条により,これを却下する。

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