
友枝昭世の曾祖父にあたる友枝三郎は、肥後細川藩の喜多流能楽師で、明治維新後、大名というスポンサーを失って廃れかけた能楽を、金春流の桜間伴馬とともに支えた。また、祖父・為城、父・喜久夫いずれも名人の名にふさわしい能楽師である。というわけで当代の能楽師を代表する一人である友枝昭世は、肥後の能楽の誇りでもあるのだ。
今回演じる「枕慈童」は昨年10月の熊本城薪能でも演じられたが、あいにく台風の襲来で二の丸広場から手狭な本丸御殿大広間へ急遽会場変更となり、見づらい状態で不満足感も残ったので今回の放送でじっくり見直したい。
また、熊本城薪能の時、シテ方を演じた喜多流初の女性能楽師・大島衣恵さんを取り上げたBS-TBSのミニ番組「世界人」が1月24日(土)夜8:54~9:00に放送されるのでこちらの方もチェックしておきたい。
◆友枝三郎


本妙寺塔頭・妙心院の友枝三郎の墓