徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

江戸っ子の粋 と 蕎麦

2013-12-18 19:25:09 | 音楽芸能
 今朝の朝ドラ「ごちそうさん」の中で、関東大震災で大阪へ避難してきた東京の人たちに「江戸っ子は蕎麦だろ!」と蕎麦を用意する場面があった。また、先日、歌舞伎の「雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべ いりやのあぜみち)」(通称:直侍)の中では、片岡仁左衛門さんが本物の蕎麦を、江戸っ子らしく粋にすする場面をテレビで見た。江戸っ子に言わせると「蕎麦ってのは噛むもんじゃない、すすり込むものなんだよ!」と言う。江戸っ子にとって蕎麦には特別な思い入れがあるものらしい。
 江戸っ子と蕎麦に関してこんな話がある。もう30年ほど前のことだが、僕が栃木県の黒磯(現那須塩原)の工場に勤務していた頃、労組の主催で永六輔さんの講演会が行われた。永さんはとてもタイトなスケジュールの中、工場見学や講演会を精力的にこなした。その間、ずっとアテンドを務めたのが僕の直属上司だった。講演会が終り、そのまま東京へとんぼ返りをする永さんに僕の上司が、「せめて地元の蕎麦でも食べて行ってください」と新幹線の駅にほど近い店に案内した。ところが、新幹線の時刻がどんどん迫って来る。とてもゆっくり食べる時間などない状況に僕の上司は焦った。しかし永さん、少しも慌てず、「大丈夫です!1分もあれば食べられますから…」。実際、永さんは出された熱々の汁蕎麦を噛まずにあっという間にたいらげたという。さすがはチャキチャキ江戸っ子の永六輔さん、と皆な感心しきりだった。

▼江戸の粋を表現する江戸端唄。でもその源流は潮来節


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。