ニュースを見ていたら、今日はベルリンの壁が崩壊してから、ちょうど20年だそうだ。もうそんなに過去のことになったかと感慨を新たにした。ニュースでは、どこの局も壁の崩壊が幸せばかりをもたらしたわけではないという論旨のようだ。僕はドイツに行ったこともないので、そこら辺のことはよくわからない。ただ、ベルリンの壁の話が出ると、必ず思い出す小説と映画がある。それは、ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」(映画のタイトルは「寒い国から帰ったスパイ」)だ。僕が大学に入った1964年はまさに東西冷戦の真っ只中だった。そんな世界情勢の中で出版された英国作家のジョン・ル・カレが書いた「寒い国から帰ってきたスパイ」が世界各国でベストセラーになった。僕も早速買って、その面白さに引きずり込まれ、一気に読破した。ベルリンを舞台に暗躍する東西のスパイたちの悲哀を描いていた。当時は時代を反映していろんなスパイ小説や映画があった。イアン・フレミングのジェイムズ・ボンドシリーズもそうだし、レン・デイトンの「イプクレス・ファイル」なんていうのもあった。しかし、「寒い国から」は今まで感じたことの無いリアルさがたまらなかった。読みながら、主人公のリーマスを、なんとなくリチャード・バートンをイメージしていた。翌年、マーティン・リットが映画化する時、本当にリチャード・バートンがキャスティングされた時は驚いた。時代が変わってしまった今、もう一度読んだら、あの時の感動は得られないかもしれない。しかし、僕にとっては一生忘れることのない一冊だ。
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いるというので、「ドイツのどこ?東ドイツ
とか、西ドイツとか?」と投げかけたら
「そんな国ありませんよ」と、もう独りの
若いこといしょに爆笑されてしまいました。
ほんとに統一ドイツができたのは、この間のような気がします。
半年くらい前に冷戦下の007シリーズを観て
いたらなんとなく白々しくって、盛り上がりま
せんでした。
このシリーズは仮想敵国があっての話なんだとも思ったものです。
上の写真は、ぱっと見てリチャード・バートン
じゃないかと思いました。左はリズ・テーラー?とも(笑)。
FUSAさんの洋画歴も半端じゃないですね。本当にお詳しいのに感心します。
リチャード・バートンはちょうどこの前の年くらいに「クレオパトラ」で、リズ・テーラーと共演して恋に落ち、互いに離婚してから結婚した頃ですよね。隣りはクレア・ブルームです。チャップリンの「ライムライト」でデビューした子です。マーティン・リットは「寒い国」の前に撮った「羅生門」のリメイク「暴行」でも彼女を京マチ子がやった役に使っています。