ジダンの頭突き退場でワールドカップは幕を閉じたが、その余波は収まりそうにもない。FIFAが調査に乗り出すらしいが、場合によってはジダンのMVP剥奪もあり得るという。ジダン自身がフランスのTVに出演して事件について語ったが、あくまでもジダン側だけの話であり、真相はまだ藪の中だ。ジダンによれば「母や姉のことを侮辱されたから…」と言うが、おそらくマテラッツィは直接的に言ったわけではなく、英語でいうところの「Son of a Bitch」の類のことを言ったのではないか。マテラッツィという男はセリエAでもラフプレーや口汚い野次で知られた札付きの男だそうだ。ただ、マテラッツィが侮辱の言葉を発した誘因となるジダンの言葉が何だったのか。ジダンは執拗にシャツを掴むマテラッツィに対して「そんなにシャツがほしければ後でくれてやる…」と言ったというが、はたしてそれだけだったのか。また、ジダンはセリエAのユベントス時代にマテラッツィの評判は知っていたはずであり、ひょっとしたらゲームでも何度かマッチアップしていたのではないか。今回の事件に至る伏線はなかったのか、これも気になるところだ。
いずれにせよ、イタリア一の乱暴男と切れやすいフランス男がたまたまマッチアップしてしまった、このことが何よりも不幸だったと言わざるを得ない。
いずれにせよ、イタリア一の乱暴男と切れやすいフランス男がたまたまマッチアップしてしまった、このことが何よりも不幸だったと言わざるを得ない。