徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

四海波静かにて

2021-05-20 20:43:46 | 伝統芸能
 朝飯を終えてパソコンデスクに移ると、隣の部屋のテレビから笛のヒシギと、「四海波静かにて 国も治まる時津風・・・」という謡いが聞こえてきた。「この謡いは何だっけ?」としばらく考えた後、「高砂」の一節であることを思い出した。そういえば、朝ドラ「おかえりモネ」で登米能(とよまのう)の場面があるとか言ってたな、と思い出したが、昼の再放送で見ることにしてそのままパソコン操作を続けた。
 「高砂」と言えば、先般、水前寺成趣園での「翁プロジェクト」熊本公演でも観たが、後場の住吉明神の舞を中心とした半能だったので、フルバージョンで観たかった。

【高砂のあらすじ】
 室町時代に能を大成した世阿弥(ぜあみ)の代表作ともいえる能「高砂」の主人公は、阿蘇神社二十六代宮司・阿蘇友成。醍醐天皇の時代に友成が京に上る途中、播磨国(兵庫県)の高砂の浦で老夫婦に出会います。友成は、この老夫婦に、「高砂にある松と対岸の摂津国(大阪)住吉にある松は、離れているのに、なぜ相生(あいおい)の松と呼ばれているのか」と尋ねます。老夫婦は「自分は住吉の松の精、妻は高砂の松の精である。離れたところにある松でさえ相生の松と呼ばれるように、人は夫婦であれば、離れていても心通い合うものだ。」と教え、沖へ去る、というのが高砂のお話。
 阿蘇神社の境内にある「高砂の松」は、友成が持ち帰った高砂の松の実を植え、育てたものといわれ、現在も、縁結びの願をかけに多くの人が訪れています。(週刊メールマガジン「気になる!くまもと」より)

 その阿蘇神社は、5年前の熊本地震で楼門や拝殿が倒壊、その他の社殿も甚大な被害を受けた。いま復旧工事の真っ最中である。社殿の多くが既に復旧が終わり、あとは拝殿が今年6月の完成、楼門は令和5年12月の復旧完了予定だそうである。


阿蘇友成が持ち帰ったという伝承のある阿蘇神社境内の「高砂の松」


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