徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

肥後の駒下駄

2014-06-19 13:54:35 | 熊本
 今朝の熊日新聞に熊本市中央区呉服町の老舗履物店「武蔵屋」さんのことが紹介されていた。熊本の伝統的工芸品である「肥後の駒下駄」を作っているのはもう「武蔵屋」さんだけらしい。
 われわれの生活からすっかり姿を消した下駄。僕が入学した頃、済々黌の男子生徒は下駄ばきが標準的なスタイルで、入学祝いに下駄をプレゼントされたことを憶えている。「肥後の駒下駄」だったかどうかは憶えていないが、白い鼻緒でかなり値段が張りそうな下駄だった。この下駄を履いて、まだ石畳だった瀬戸坂をわざとカランコロンと下駄音を響かせながら通学したものだ。しかし、僕が3年生になった頃、校則で下駄ばきが禁止となった。時代にそぐわないという理由だが、バンカラの象徴でもあった下駄の禁止は、生徒の反対運動も起こり、ちょっとした学内紛争の様相を呈したものだ。今思えば笑い話のようだが、そんな出来事もあったりして下駄は僕の生活からフェードアウトして行った。あれから半世紀、近頃、下駄が妙になつかしい。また下駄ばきを始めてみるか。

▼武蔵屋さん




▼熊本民謡「キンニョムニョ」には肥後細川藩時代の仇討物語「肥後の駒下駄」が唄い込まれている。