体操の世界選手権で、初出場の田中理恵選手は個人総合で17位だったにもかかわらず、参加選手中、最もエレガントだった選手、男女各1名に贈られる「エレガンス賞」を受賞した。日本では2007年に男子の冨田洋之選手が受賞したことがあるが、女子選手としては初の快挙だそうだ。女子体操と言うと、最近はどうも“子供の曲芸”的なイメージで、見ていてちょっと可哀想な気がして、テレビで放送されても正直、あまり見る気がしなかった。僕らの世代の選手は池田敬子さんや小野清子さんなどを筆頭に、みんな女性的な美しさとふくよかさがあった。その極致が東京オリンピックの時のチェコのチャスラフスカだろう。田中理恵選手を見ていると妙な懐かしさを感じる。彼女が受賞したところを見ると、やっぱり海外の人も同じような気持だったのかもしれない。荒川静香がトリノで金メダルを獲った時、海外のメディアが彼女を評して「She is a Woman!」と言ったと伝えられているが、田中選手にも同じ言葉を贈りたい。