徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

奇しき因縁 坂本龍馬と谷干城(たにたてき)

2010-10-18 16:35:32 | 熊本
 二日ばかり体調が悪く家の中にこもっていたので、今日は午後から本屋まで歩いて行った。途中、高橋公園の木陰でひと休みした。ふと傍らの坂本龍馬像を見上げてハッと気がついた。気のせいか、龍馬の視線が向こうの谷干城中将の方に向けられているような気がしたのである。実際には龍馬の視線は左下に落とされているのだが、この角度から見上げるとそう見えたのである。もともと手前の5人、左から坂本龍馬、勝海舟、松平春嶽、細川護久、横井小楠の、いわゆる維新群像5体と、谷干城の銅像は別のところにあったものだ。熊本城本丸御殿が復元される時、本丸御殿跡にあった谷干城像が、たまたまここに移設された。谷干城像が熊本城内に建てられたのは、西南戦争の際、熊本鎮台司令長官として熊本城に立て篭もり、薩軍の激しい猛攻を耐え忍んだ武勲を讃えるためだ。この谷干城は龍馬ゆかりの人物でもある。同じ土佐藩で自らは上士でありながら、龍馬を尊敬し、近江屋で龍馬が暗殺された時は真っ先に駆けつけた人物として知られる。新撰組を龍馬の仇と固く信じ、戊辰戦争で捕らえた近藤勇を斬首・獄門という極刑に処している。そんな顛末を知ってか知らずか龍馬さん、向こうに座した陸軍中将・谷干城をどんな思いで見ているのだろうか。