のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

巨人・大鵬・卵焼き

2023年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

 夕方、仕事から帰ってくると家の玄関前をキジの一家がうろついてました。オス一羽にメス三羽。鬼滅の刃で言ったら妻が三人いる宇随天元さんみたいですね。

 家の裏山の元畑だった草むらから年中出入りしているのでここに巣を作っているのはわかってたんです。ちょっと覗いてみたら卵があったのでそのままにしておきました。いくら卵が値上がりしているとはいえ、これをとるほど生活に困窮してはおりません。

 巨人・大鵬・卵焼きって言っても今の若い人たちには卵焼き以外はわからないでしょうね。その卵焼きだってだし巻き卵みたいにきっちり作られた製品であって、とき卵焼いただけの大雑把な卵焼きなんかなじみがないかもしれない。とにかく人気があったんですよ。

 巨人ってぇのは野球のチームね。

 大鵬は相撲の横綱。大鵬のお父さんは今でいうならウクライナ人。当時は白系ロシアなんて呼ばれていて、ウクライナから東に出てきて樺太に住んでいたのですが、樺太の南半分は日本だった時代です。大鵬のロシア語の名前がイワン・マルキャノビッチ・ボリシコ(Иван Маркиянович Борышко)。イワンが個人の名前で、マルキャノビッチはマルキャンの息子、つまり父親はマルキャンさんですね。ボリシコは姓ですが、「〇〇コ」と、「コ」で終わる姓はウクライナ系の姓ですね。

 大鵬は南樺太で生まれているので日本人ですが、ウクライナ系の日本人と言うことになります。大鵬と柏戸がそろって横綱に昇進したのが私が生まれたころなので、柏戸はあまり記憶はないけれど、大鵬はよく覚えています。玉の海と北の富士と言う横綱がいたことや、玉の海が盲腸で死んじゃったことも。北の富士は郵便局でカレー売ってますからね。国技館ハヤシとアパ社長カレーと並んで北の富士カレーは郵便局の功績ですね。

 相撲も野球も不祥事ばかり取りざたされますが、当時はスターだからお目こぼしがあったのか?スターがスターでいられた時代で、足引っ張って自分のレベルに引き落とそうという卑しい目線は嫌われた時代でした。なので高度成長もできた。スターも遊び方を心得ていたもんです。「粋」ってぇのは大事だねぇ。

 こんなご時世、卵のお値段は高いのですが、卵焼きは人気があるのかな?私が子供の頃の卵はもっと高額な商品だったと思いますが、大体どこの家でも鶏買ってましたからね。卵焼きはお弁当の花形で定番だったもんです。

 学校給食がなかった時代でしたから、小学校に上がると毎朝自分で弁当作って学校にいくのが常識だったんです。弁当と言っても、アルマイトの弁当箱にご飯詰めて卵焼き入れただけでしたが、その弁当のために毎朝卵焼きを焼くのが日課でした。親の時代の梅干し一個の日の丸弁当よりはマシ!と言われましたが、これはこれで結構悲惨な弁当だったんじゃなかろうか?たまに卵がない日があって、ご飯の上に海苔のせて醤油かけただけの弁当なんかも作りましたが、おむすびだって似たようなもんじゃねぇか。

 時代が変わったなと感じたのは大阪万博の頃で、マルシンハンバーグを弁当に入れてくる奴が現れたんです。あの時代、高級なマルシンハンバーグをフライパンで焼いてウスターソースをかけて食うもんだったんです。このあたり、まだドロっとしたソースは売っていなかったんですね。これにトマトケチャップをかけて弁当に入れてくる種族が出現したんです。およそこれらのモダーンな弁当を持ってくるのは中学生や高校生のお姉さんがいる連中で、おっかさんたちはこんな都会的な弁当ん素材なんて思いつかないもんでした。

 梅干しから卵焼き、そしてハンバークと日本の弁当文化の主役は移ろってきましたが、今は何だろう?相変わらず弁当と言うと卵焼き焼いてしまいますが、弁当よりも登山用の道具持って行って煮炊きする方が多いし、ちょっと気合を入れるとサケの切り身弁当。

 でも、やっぱ卵焼きだよなぁ。

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弁当 (萌ゆりん)
2023-05-28 17:38:57
液晶の仕事で姫路にいた時に3シフトで働いていたのですが、日勤は始業が朝7時からというとんでもない勤務だったので、朝は出掛けにコンビニパン、昼は社員食堂という生活が続いていました。

滋賀に戻って新ラインを立ち上げた時は、事業所と同じ8:45始業になりました。
ですが、姫路にいたころの習慣で朝早く目が覚めてしまいますので、弁当を作って持って行ってました。

おかずは卵焼きとウインナーを基本に、それにマルシンハンバーグとか塩ジャケとか冷凍カラアゲとローテーションさせてました。
野菜は手間をかけずにレタスをちぎってマヨネーズかけるとか、冷凍ホウレンソウを湯がいたお浸しとか、ミックスベジタブルのバター炒めとか。
ご飯にはゆかりやのりたまをかけてました。

弁当の中身が解っているので期待感はありませんが、その代わりハズレもない。
自分の好きなものしか入れてませんでしたからね。

ウナギのかば焼きのパックと白飯を持って行って、会社の電子レンジでチンしてウナギめしを食べてた時は周りから「すげぇな」と羨望の的になったことがありました。

そのうち朝早く起きて弁当作るのも飽きてきて、会社の社食で食べるようになりましたが、コスト的には社食の方がずっと安かったんです。
今夜は鬼滅だ (山仕事の人)
2023-05-28 19:38:01
 冬のスキー場での従業員食堂のお昼は300円。この値段で一食賄うのは大変です。
 今日のお昼は山でお湯沸かしてカップ麺でしたが、200円くらいするカップ麺だった。しかもそれでは足りずに家から持ってきた炊き込みご飯のお結び食べました。

 数年前にタコさんウインナーに凝ったことがありまして、弁当にもっていったものです。山の中でも一人めしなので、だれも認めてくれない。最近じゃ赤いウインナーが手に入らないんですね。

 姫路と言えば魚町の近くにしょうちゃん2御用達の神事の場があったんだけど、昼間は園芸劇場で子供の頃に落語や漫才を見に連れて行ってもらったことがありました。

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