のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

憲法守って

2020年04月25日 | 日記・エッセイ・コラム

 三日連続で氷点下の朝。でも日が当たりだすとポカポカ温かい。温度差がものすごい。

 昨夜の雷雨で降った雨が軽トラのシートにたまって凍っていました。

 春の初めのころなら「薄氷(うすらい)」なんて風流を楽しめるのですが、4月の後半でこれでは畑大丈夫か?と心配になってきます。

 3年ほど前は遅い春で、この時期まだ積雪が溶けずに残っていて、木々も芽吹く気配がない。そこに5月連休明けに能天気に蚕が孵化してしまい、餌にする桑がないので、朝暗いうちに下のほうまで出かけて行って、耕作放棄した桑畑で桑の葉泥棒してきました。

 そんな年でもこの時期氷点下にはならなかったけど。

 知人の農家宅ではハウスの中でトマトの接ぎ木をしていました。

 例年なら農協のハウスなどに奥様方が集まってワイワイ騒ぎながらやる日当仕事なのですが、「いわゆる、今、都会で流行りの在宅勤務ってやつよ。」と、ビニールハウスを持っている農家は自宅に持ち帰ってのハウスワーキング。

 ホームセンターなどに行くと、80円くらいの安い苗木から298円の高い苗木まであるトマトですが、高い苗木は接ぎ木した苗木で、病気に強い根に良い実をつける苗を接ぎ木したもの。こういう年なので、家庭で栽培する人も多かろうと、例年より多く生産しているみたいです。

 一軒のノルマが2千本。「猫の手も借りたい」ということで、小学2年生の孫も手伝っていましたが、5歳の孫はハウスの中でおもちゃで遊んでいるだけ。肝心の猫は「まだその時ではニャイ!」と、オヤジさんの膝の上で寝てましたから、この辺りが猫の手になるかどうか?のラインでしょうね。

 ハウス作業を眺めていたら役場からの緊急メールで、5月7日以降の学校の休校が決定したようです。小学2年生「えぇ~!面白くない!」

 「いっそのこと、繰り上げ卒業ってことにして、じいちゃんと一緒に百姓やろうぜ!ビニールハウス、もう一つ増築するか!」と、じいちゃんは大喜び。

 こうして農業後継者が誕生するのであった。

 夕方、山から下りてきてスーパーに総菜を買いに行ったのですが、予想道理県外ナンバーの車が駐車場にたくさん並んでいた。

 2-3日前には店に並んでいたスパゲティーがパスタソースとともに一斉に姿を消していたが、狙いはそんなところにはない。総菜コーナーに「5割引」のシールを手にしたおばちゃんが出てきたので、ここからが勝負。

 狙いは99円になるぶっかけうどんで、ご飯が炊ける前の食前飯として食べるにはちょうど良いサイズ。

 獲物を狙うイヌワシのごとく、総菜コーナー方少々離れた位置から狙いを定め、おばちゃんのステッカーを待っていると、やはり週末。都会から来た人たちがこの地域では暗黙のタブーとされている「先物どり」をやらかして、ステッカーが貼られる前のぶっかけうどんをかっさらっていってしまった。

 そのうどんを手におばちゃんのところにもっていって5割引きのステッカーを張ってもらう。「すいません、もう少し離れてください。」と、接近を断るのがおばちゃんのせめてもの抵抗で、5割引きステッカーを張ってさっさと退去してもらうしか術がない。

 日本国憲法なんて、世界から見れば地元の暗黙のルールみたいなもので、ルールが異なる異国からすればこんな非常事態の時期にもかかわらず、尖閣諸島でぶっかけうどんの先物どりをするのも「何がわるいねん!アルヨ。」でしかない。

 国連が機能していないのは自明の理で、WHOに関してはもはや死に体であるが、憲法守って国滅ぶを実感しながら食前飯はあきらめることにした。

 こうして、ご飯が炊けるまでの間に温泉に行って温まってきたが、すきっ腹で長湯したら疲れがドカッと出て、夕食を食べる前に寝てしまった。

 うどん一つで国家の在り方を考えてしまう今日この頃です。

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