後ろ向き
星野富弘
私は車椅子に乗っている間 かなりの時間後ろ向きに進む。
家の廻りは 坂が多い。坂を下るとき 前向きだと腕で上半身を支えられないこともあり 前に倒れそうでこわい。その点 後ろ向きならば 背もたれにどっかりと背中をあずけ 大会社の椅子に腰掛けているような気分で坂が下れる。
(中略)
「振り返ってはいけない。」とか「前向きに生きろ。」などとよく耳にするが 振り返ることなく生きられる人がいるのだろうか。また 前ばかり向いて歩くことが そんなに立派なことなのだろうか。もちろん 振り返ってばかりでは前に進めないから 程度にもよるが それを罪悪のように考えるのは 毎日の生活を窮屈なものにしてしまうような気がする。
身体の構造も 全てではないが 後ろ向き用につくられている面があるように思われる。
私は長い間 器械体操をやっていた。器械体操では後ろに進みながらおこなう技がけっこう多い。前方転回より 後ろに進んでいく後方転回の方が 美しくて速い。二回宙返りも ひねりが入ったものも・・・大きな技は 後方に回転するものばかりである。
走り高跳びも 背面飛びの方が記録が良いし 運動会の綱引きだって 後ろに引っ張っている。
私たちが「ここだっ!」というような踏ん張りをきかす時 思いのほか後ろ向きが登場するように思われる。
「前向きに進め」というのは 人間が溜めていた力を出せる「後ろ向き」という切り札を めったなところで使ってはいけないということなのかもしれない。
私は今日も 後ろ向きで坂を下り 後ろ向きで風の中を走り 夕陽を見ながら帰ってきた。
長い 引用になりましたが
前向きだけでなく
後ろ向きも いいんだよ という言葉が欲しいとき
読みたくなる文章なので ご紹介しました
ちょっと 振り返ってみたくなる
今年の 終わりが見えてきた
今日 11月1日
星野富弘
私は車椅子に乗っている間 かなりの時間後ろ向きに進む。
家の廻りは 坂が多い。坂を下るとき 前向きだと腕で上半身を支えられないこともあり 前に倒れそうでこわい。その点 後ろ向きならば 背もたれにどっかりと背中をあずけ 大会社の椅子に腰掛けているような気分で坂が下れる。
(中略)
「振り返ってはいけない。」とか「前向きに生きろ。」などとよく耳にするが 振り返ることなく生きられる人がいるのだろうか。また 前ばかり向いて歩くことが そんなに立派なことなのだろうか。もちろん 振り返ってばかりでは前に進めないから 程度にもよるが それを罪悪のように考えるのは 毎日の生活を窮屈なものにしてしまうような気がする。
身体の構造も 全てではないが 後ろ向き用につくられている面があるように思われる。
私は長い間 器械体操をやっていた。器械体操では後ろに進みながらおこなう技がけっこう多い。前方転回より 後ろに進んでいく後方転回の方が 美しくて速い。二回宙返りも ひねりが入ったものも・・・大きな技は 後方に回転するものばかりである。
走り高跳びも 背面飛びの方が記録が良いし 運動会の綱引きだって 後ろに引っ張っている。
私たちが「ここだっ!」というような踏ん張りをきかす時 思いのほか後ろ向きが登場するように思われる。
「前向きに進め」というのは 人間が溜めていた力を出せる「後ろ向き」という切り札を めったなところで使ってはいけないということなのかもしれない。
私は今日も 後ろ向きで坂を下り 後ろ向きで風の中を走り 夕陽を見ながら帰ってきた。
長い 引用になりましたが
前向きだけでなく
後ろ向きも いいんだよ という言葉が欲しいとき
読みたくなる文章なので ご紹介しました
ちょっと 振り返ってみたくなる
今年の 終わりが見えてきた
今日 11月1日
人生や生き方について、今日のお話は、大変心に染み入りました。
なんか、安堵した気分です。
人生、峠を越えると、来た道を振り返る時が多い私です。
振り返ると、確かに自分で歩いて来た道が、存在する訳で……先の見えない未来だとしても、
振り返ると確かな物が存在している。
それが善きにつけ悪しきにつけ……
意味深いですね。
何となく、感覚で
理解できる気分ですが、
毎日、大切に過ごさなきゃな~と、思いました。
ありがとうございます。
体を使う競技は後ろ向きの方が難しいしから難易度も高いと思いますね
考え方の前向き・後ろ向きだけを論じると前向き方が受け入れ易いが反省することは後ろ向きではないですよね
生き方は周りの人を不愉快にさせない程度の後ろ向きの考えも大切ですね
何事にも決め付けないで聞く心を持つ優しさが大切だと思いますが
書き出したら終わりそうもないのでこの辺で
考え方ひとつで、、、向き方は生き方、、、
YUKIDARUMAの姓には坂という文字があるのですが、、、、
以前どなたかのお話で、、、
人生には三つのさかがある、、、上り坂、下り坂、そして、、、まさか、、、。という教訓なのですが、その時、あっつ、そうなら我が家は四つじゃないかと思ったものです。あまり好きな姓ではないのですが、、、で、なんだ坂、こんな坂。。。で行きたいとおもっております。
話はまた変わりますが、ブログの返コメにも書いたのですが、昨夜映画のレイトショウの帰り路、天城越えの最中に野生の鹿の親子連れに何度も出会いました。万葉の時代にもたくさんの秋の歌に鹿が出てきますが、、あぁ~いるんだって、、、だって、奈良と、安芸の宮島と動物園以外では初めてだったので、、、、感激しました。長いおしゃべりでごめんなさいです
寒ぶいですねぇ。
>振り返ってみたくなる
の、こじ附けで
南京豆のこの唄です。
http://www.youtube.com/watch?v=HPuYsLopJZs
きょうもまた、また失礼しました。
それらは みなプラスのイメージがあって
そうあらねばと 思いがちですが
後ろ向きになることも また視点が違っていいかな?と
人生いろいろ ですね
そうですね
後ろ向きの言葉が表す意味もいろいろで
ひと言で 前向きがいいのか後ろ向きがいいのか
決められないですね
どちらかに決めつけてしまうのが 一番怖いことなのかもしれません
いつも心あたたまるブログ コメントに
すっかりYUKIDARUMAさんのファンになったわたしです
なんだ坂 こんな坂 いいですね
坂は上るときも 下るときも
みんな真剣です
野生の鹿 北海道で見ました
奈良では鹿はおなじみですが
また 違って見えて感動的でした
今日はいちだんと寒いです
インフルエンザがさらに流行しなければいいのですが・・・
きょうも素敵な歌をありがとうございます
わたしはこの歌を知りませんでしたが
夫は知っているそうです
ザ ピーナッツといえば わたしは小さい頃 レモンのキッスを よく歌っていたそうです