寒い日が続いています
今年は暖冬だと思っていたのに 昨日のニュースでは長崎や奄美大島でも雪がふっていました
寒いのは 好きじゃないですけれど きりっとした冷たい空気は 実は嫌いではありません。
春や秋には 人に寄り添うあたたかさがあるけれど
冬には 己を譲らない強さと孤独がある。
夏の日照りは 一方的で 容赦ない感じがあるけれど
冬の寒さには ただ我を張るだけではない 何か意味があるような そんな気がする。
とはいえ 雪の被害や寒さの被害にあっている地域ではそんなどころではないですよね。
ここ奈良盆地は 底冷えはしていますが 雪も積もらず 有り難く過ごしております。
寒気からの脱出。祈るような気持ちです。
冬といえば 思い出すのは やっぱりこの詩。
冬が来た
高村光太郎
きっぱりと冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹の木も箒になった
きりきりともみ込むような冬が来た
人に嫌がられる冬
草木に背かれ 虫類に逃げられる冬が来た
冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ
しみ透れ、突きぬけ
火事になれ、雪で埋めろ
刃物のような 冬が来た
本当は 初冬にこそこの詩はふさわしいと思うのですが
暖冬から いきなりの寒さと戦うため この詩を ご紹介しました。