norinorimiffyの日記

きょう
だれかに ちょっと聞いて欲しいお話
お届けします  

花が 呼んでくれる

2009年09月30日 | Weblog
   花のかず
      岸田衿子  

 ひとは行くところがないと
 花のそばにやってくる

 花は 咲いているだけなのに
 水は ひかっているだけなのに

 花のかずを かぞえるのは
 時をはかる方法
 ながれる 時の長さを

 ひとは 群からはなれると
 花のそばへやってくる
 
 花は 黙っているだけなのに
 水は みなぎっているだけなのに


ブログを 始めてから 
いろいろな方の ブログにおじゃまさせていただき
たくさんの美しいお写真を 見ることが出来るようになりました
同じ種類の花にも 様々な表情があることも知りました

花が 咲いていると 聞けば
わたしも 「行ってみよう」と思います
彼岸花もコスモスも
呼んでくれました
次は どんな花が呼んでくれるのでしょう
今年は いろいろな花の美しさを知ることができたので
小さな花も 私を呼んでくれそうです
 

台風も通った コスモス迷路

2009年09月29日 | Weblog

平成10年9月 ここ奈良に 珍しく大きな台風7号が直撃し
多くの被害が出ました 
私の家の近くでも 塀や山の木が倒れ
ほぼ丸一日 停電しました
有名なお寺 「室生寺」の五重の塔も大きな被害を受け
テレビでも何度か報道されたので ひょっとしたら記憶に残っておられる方もいらっしゃるかもしれませんね

さて その台風のあと 何日かしてわたしは子ども2人を連れて 車で10分ほどのところにあるお寺に行きました
そこには コスモスを植えて作ったコスモス迷路があるので まだ幼かった2人を遊ばせようと 連れて行ったのでした
3人で 仲良く迷路のところへ行くと 台風の被害も生々しくコスモスは痛々しくそのほとんどが倒れたり折れたりしておりました
でも かなり修復されていて 何とか迷路も楽しめるくらいにはなっていました
やれやれと 思い 迷路の入り口に近づきふと上を見ると

「台風7号も通った コスモス迷路」・・・と

「台風7号も通った」は明らかに書き足してありました
思わず 拍手しましたね
台風を恨むのでもなく ユーモアで乗り切る
さすが お寺の住職さん達

コスモスの季節になると 思い出します
 


 


チューインガム 一つ

2009年09月28日 | Weblog
チューインガム一つ 3年 村井 安子
せんせい おこらんとって せんせい おこらんとってね わたし ものすごくわるいことした
わたし おみせやさんの チューインガムとってん
一年生の子とふたりで チューインガムとってしもてん
すぐ みつかってしもた きっと かみさん(神様)が
おばさんにしらせたんや わたし ものもいわれへん
からだが おもちゃみたいに カタカタふるえるねん
わたしが一年生の子に 「とり」いうてん
一年生の子が 「あんたもとり」いうたけど
わたしはみつかったらいややから いややいうた 一年生の子がとった
でも わたしがわるい その子の百ばいも千ばいもわるい
わるい わるい わるい わたしがわるい
おかあちゃんに みつからへんとおもったのに やっぱり すぐ みつかった
あんなこわいおかあちゃんのかお 見たことない
あんなかなしそうなおかあちゃんのかお見たことない しぬくらいたたかれて
「こんな子 うちの子とちがう 出ていき」 おかあちゃんはなきながら そないいうねん
わたしひとりで出ていってん いつでもいくこうえんにいったら
よその国へいったみたいな気がしたよ せんせい どこかへ いってしまお とおもた
でも なんぼあるいても どこへもいくとこあらへん なんぼ かんがえても
あしばっかりふるえて なんにも かんがえられへん おそうに うちへかえって
さかなみたいにおかあちゃんにあやまってん けどおかあちゃんは
わたしのかおを見て ないてばかりいる わたしは どうして あんなわるいことしてんやろ
もう二日もたっているのに おかあちゃんは まだ さみしそうにないている せんせい どないしょう
(「灰谷健次郎 子どもに教わったこと」角川文庫より)


今日 お昼何気なくテレビを見ていたら 万引きの話が出ていて
最近 万引きが増えているとのこと
まあ それだけなら最近はそうかも・・・と思うだけだったと思うのですが・・・
気になったのは 万引きをした子どもの保護者が 逆に店や訴えた人に
「盗りやすいところに 置いてあるからだ」
「お代金は払いますから もういいですね」
「万引きぐらいで 訴えないで」
「万引きを訴えられたせいで 子どもの気持ちに傷がついた」などと言う場合があるらしい
親としては 子を守っているのか・・・ 
すぐに 思い出したのが この詩
学生時代 子どもに関わった勉強をしていたので 当時この詩には衝撃を受けました
高石ともやさんが 曲をつけて 歌っておられたそうです
確かに この詩を書いた子は傷ついている
でも 傷つかなければわからないこともある
子どもをかばうのと 子どもを時には傷つけてでもわからせることと
どちらが その子を 本当に守っていると言えるのでしょう

人生は アップで見ると・・・

2009年09月27日 | Weblog
人生はアップで見ると
悲劇だが
ロングショットでは
コメディだ
      チャールズ・チャップリン

ずっと昔のある日 
前後のことは忘れましたが
私は 久しぶりに会った 幼なじみの男の子と
喫茶店・・・かな・・・に入りました
彼は 都会の学校 私は地方の学校に 通っておりましたので
都会に行った彼に 何かしら 負けたくない気持あったのでしょうね
軽く 食べようと言うことになったとき
初めて ピザというものを 注文致しました
テーブルに運ばれてきた丸い「もの」を見たとき
はは~ん これがうわさのピザというものかと思いましたが
何気ないフリをして・・・さて何かかけて食べるのだろうか・・・
見ると そのピザなるもののそばに 小さいビンが置いてある
これを かけるんだな・・・
「これ何?」と聞けばいいのに さも手慣れた風にビンを手に取りました
見ると 赤い液体が・・・ピザを見るとケチャップが合いそうな感じ・・・
「ふむ これはケチャップの様なものに違いない」と
どばどば~っと 振りかけて・・・うふっ美味しそう
何しろ ピザ初体験ですからね
ではでは いただきま~す
ぱくっと 食べた
うわっそして
おわかりかと 思いますが
私が かけたのは タバスコ・・・
しかも 私は 辛いもの 超苦手
でも食べきらなくては ピザのことを知らなかったことになるし・・・
わたしの ピザ初体験は 苦行そのものでございました

ピザを見るたび 思い出します
その時は 泣きそうな悲劇でしたが
今から 思えば コメディ です


コスモスの  うた

2009年09月26日 | Weblog
   コスモスの うた
        まど みちお

 だれかに 一りん
 あげたいのだけれど
 コスモス
 コスモス
 ともだちが すき
 ともだちと みんなで
 てを つないで あそんでる
 
 グラスに 一りん
 さしたいのだけれど
 コスモス
 コスモス
 あおぞらが すき
 あおぞらを みあげて
 みな はればれと うたってる

お彼岸を過ぎて 曼珠沙華も 色あせてきました
散らずに立ち枯れる花は 強さを感じますが 哀しいです
コスモスは 明るい
切り花にして 家の中に飾るよりも
おひさまの下で 咲くのが似合う
これから 冬までの間
歌い続けます

みんな いつかのいい日のために

2009年09月25日 | Weblog

 どんな
 つらいことも
 悲しいことも
 嬉しいことも
 楽しいことも
 みんな
 いつかいい日のために
 あるのよね
     笹田雪絵「幸せ気分」より

ひすいこたろうさんの 「心にズドンと響く運命の言葉」のあとがきで紹介されている言葉です
前から 気になっていながら調べずに今日まで来ましたが言葉が素敵なので皆さんに紹介しようと ちょっと調べてみました
まず 笹田雪絵さん 彼女は14歳から多発性硬化症という難病とともに生きてこられました 視力が弱くなったり 運動にマヒがでたりする中 「幸せ気分」や「お日様気分」というエッセイを出しておられます
どちらも まだ私は読んだことがありません
皆さんの中にはご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね
彼女は 「すのう」という名前でホームページを開いていますが
その中で キラキラした言葉をたくさん届けてくださっています
今日 彼女のことを知ったばかりなので このくらいのことしかお知らせ出来ませんが 興味のある方は まず彼女のホームページをごらんください
少し 見ただけですが 心が元気になる言葉にあふれています


ディズニーランドに学ぶ おもてなしの心

2009年09月24日 | Weblog
今日は以前にご紹介した 比田井和孝・美恵著「私が一番受けたいココロの授業」から

ディズニーランドに学ぶ「おもてなしのココロ」

全部を引用すると かなり長くなってしまうので
簡単にまとめると・・・

ある日 ディズニーランドのレストランにやってきた若い夫婦が お子様ランチを2つ注文したので 
「お子様ランチは9歳まで」というルールから はじめはことわったものの
何か 事情がありそうなので 聞くと 
亡くなった子どもの一周忌なので 子どもと約束しながら果たせなかった ディズニーランドでのお子様ランチを実現しにやってきたとのこと
それを聞いた従業員は お子様ランチを1つサービスして3つ用意し しかもファミリー席に子供用の椅子も用意して・・・
若い夫婦はとても感激して 「家族の団らんを味わうことが出来た」とのお礼の手紙が あとで 届けられたとか

比田井さんは
「本当にそれがお客様のためだったら そのルールを曲げても良い」というルールがあるlことが すごいと言っています そして
「これは決まりだから出来ません」と簡単にいってしまうような人にはなって欲しくない 
違う方法で 何か望みを叶えてあげることは出来ないかと 一生懸命考えること・・・
そういう姿勢が大事だとも 言っています

お客様が望んでいることは何だろうと本質的に考える

「マニュアルを越えたところに 感動がある
マニュアルをどう 越えるか・・・これは皆さんの「心の姿勢」「あり方」次第だと・・・

ハンバーガーショップの店頭で 言いよどむのが怖くて
何回も口の中で練習してから やっと注文するわたし
マニュアル通りは お客の私が緊張します
マニフェストでお約束したからと 政治家さん達は言いますが
みんなが望んでいることを本質的に考えて
マニフェストも 時には越えて欲しいです

大和の 秋

2009年09月23日 | Weblog
   あきの思ひ
      山村公治

 あいうえ あやとり あいことば

 明日香 朝露 赤とんぼ
 馬酔木(あしび) 浅茅生(あさじふ) 天の原
 秋篠 あすなろ 秋なすび

 あらあら 阿部の 赤まんま
 赤膚(あかはだ) 赤だし 赤ごはん
 阿紀野 朝霧 あけびの実

 あさまし あき寝の あさぼらけ
 あらしの あとの 赤い柿
 あこがれ あせらず 仰ぐ空 

山村公治さんは ここ奈良では某小学校の先生をされていたと同時に歌人でもあり
県内の多くの学校の校歌を作詞されています
この詩は 大和叙情という合唱組曲の中の一曲です
歌もご紹介しようと思いましたが 何しろ1988年に出来た歌ですので
残念ながら ここに載せることはできませんでした

でも 皆さんに味わってほしかったのは この詩の方で
秋の言葉 奈良にまつわる言葉など 
しかも 「あ」で始まる言葉が並んでいます
「あ」で始まる言葉は
響きが 美しいと 思っているので
この詩は 初めて聞いたとき とても耳に心地よく感じられました

紅葉は まだ訪れていませんが
大和は 今 秋たけなわです
   

秋の日に 心が洗われる

2009年09月22日 | Weblog
今日は 八木重吉の詩をご紹介しようと思います
29歳にして結核で亡くなった彼ですが その病床の中で綴った詩集「貧しき信徒」は103編の詩からなっています そこにある詩は10行を越えるものは2つしか無いそうです 短いですが心にすっと入ってくる詩が多くて 私は好きです
では その 「貧しき信徒」より 秋の詩を2編

   秋
      八木重吉
 こころがたかぶってくる
 わたしが花のそばへいって咲けといえば
 花がひらくとおもわれてくる

 
   素朴な琴
      八木重吉
 この明るさのなかへ
 ひとつの素朴な琴をおけば
 秋の美しさに耐えかね
 琴はしずかに鳴りいだすだろう



 昨日 「おくりびと」 見ました
 全編に流れるチェロの美しいメロディ
 向こうへ行く人を 全身全霊で送り出す
 厳かで 美しい 仕事のかたち 
 心が 洗われるようでした 

相思華

2009年09月21日 | Weblog
彼岸花は黄金色の田んぼの畦に咲くのが また色鮮やかできれいです
なぜ 田の畦に咲くのか・・・

一つは彼岸花の球根は繁殖力が極めて旺盛なので 蜜に張った根が田の畦や土手の補強や土止めになっているという説
次に 彼岸花の有毒性を利用して モグラや野ネズミを撃退するという説
ネズミ退治に球根をつぶして壁に塗ったりすることもあったらしい
毒を含む鱗茎は良質の糊になるので その糊で屏風やふすまの下張りをすると虫に食われないとか
また 昔は球根を水にさらして毒を抜き 飢饉の際の非常食にもしたという

田畑や土手 墓地など生活の中で身近に見られる彼岸花
ちょっと不気味な感じもありますが 意外と生活に密着して来たのですね

ちなみに 韓国では彼岸花のことを「相思華」ともいって これは彼岸花が花と葉が同時に出ることはないから「葉は花を思い、花は葉を思う」という意味だそうです
いろいろ曰くありげな名前が多いなか やさしい名前だなと思いました