まどみちお
タンポポは いつも
ポポン・・・と咲いているように見える
人間などが 生まれるまえの
ずうっと 大昔から
ほんとは ついこの間
地球のこのへんに すむ人たちが
タンポポと 名づけてからのことなのに
もしも その人たちが
タンケロと 名づけたのだったら
たぶん いまごろ
ケロン・・・と咲いていたろうに
また もしも
タンボヤと 名づけたのだったら
ボヤッ・・・と咲いていたろうに
タンポポが ポポン・・・と咲いている
おや あそこの田んぼの あぜでは
あんなに ポポン ポポン・・・と
わたげの花火うちあげて よんでいる
―みんな おいでえ!
タニシの うちに
あかちゃんが うまれたよう!
タンポポが 皆に愛されるのは
もちろん 黄色いお日様色で
どこでも 元気いっぱい咲いているから
わたぼうしが ふわふわ 飛んでいくのが楽しいから・・・
でも それより
たんぽぽっていう名前が
何とも 響きがよくって
可愛らしいからだと 思う
英名は ダンデライオン で ライオンの歯という意味
ギザギザ しているのを ライオンの歯に見立てたとか・・・
たんぽぽ が いいな
耳に ポポンと 心地よい