のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

新しい子猫たち No.1767

2021-02-04 00:10:44 | 新しい子猫たち 
リトルチャタロウ の卓越した金融に対する学識は疑いようもなかった。それはメモを見ればわかる事だった。それにオリジナルテープを見ればすぐに判るのだった。


ただ 複製しか見た事のない人には モヤモヤしたものが残った。結局 外部に流れたのは このモヤモヤした気持ちと 多分 リトルチャタロウの 金融に対する学識は凄いのだろう、と云う 複雑な意識だと云えた


もう一つの大きな銀行 の 役員連中は面白くなかった。話をしている内容は ほぼ判った。それはいいのだが、一族の銀行ともう一つの大きな銀行は 日本の銀行としてはトップを競っている。むしろ長らくトップであり続けたのは ウチの銀行、一族の銀行は合併を繰り返して 大きくなってきたのに過ぎない


もう一つの大きな銀行 には相談役として 正人がいる。香奈ファイナンシャルは大株主でもある


ウチも リトルチャタロウに 直接の講演を頼めないのか との声が大きくなって。頭取は正人に頼んだ


正人は 

頼むのをイヤだとは言わないよ。ただナニを講演して貰うの  あの講演内容は僕も見たけど、あれはあれで素晴らしいもので、同じ事を言ってもらうの、それは情けないと思わないの、 問題提起の仕方でむしろ もう一つの大きな銀行としての見識が問われるよ


頭取も

それはそうですよね 一族の銀行は 神太郎さんの証券会社とも相談して、色々と討議した上で 議論を切り出した。ウチとしての問題提起が大切ですよね、政則さんに相談に乗ってもらいませんか、研究所長には既に話をしているが、あれを上回る議論は難しい 所長曰く 政則さんは日銀始まって以来の秀才 鬼才でもある 金融についての理解も深い、政則さんの協力があれば 一族の銀行と証券会社への講演を上回る、問題提起が出来る。そうなれば 我々の見識についての評価も得られるのです


正人は 

確かに 親父は 日銀始まって以来の秀才と言われていたが 同時に 日銀始まって以来の毒舌家とも言われていた。親父には言ってみるけど 親父は毒舌家だよ、それは覚悟してよ。