のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1784

2021-02-25 00:33:26 | 新しい子猫たち 
その若い子は 直ちに精密検査を受けた。遺伝子解析もされた。念のため 大阪の基礎分析センターとも 情報をシェアーした。クリスの懸念は当たっていた。ある遺伝性の 難病を発病する可能性が極めて高い。大阪のセンターの報告書は これは助からない と悲観的なトーンで言葉を締められていた。


クリスの考えていた 治療法を直ぐにでも開始しないといけないのは明白だった。ただこの時のクリスの考えていた治療では 不妊を誘発する事もほぼ確実でもあった。女の子にも告知された。


女の子には好きな人がいて しかも医学生だった。その彼は相談を受けて、何の躊躇もなしに治療を開始すべきだと言った。僕は君が好きだ、僕と君の間の子供は欲しいが、君がいないとそもそも始まらない、クリスさんは有名な 医学者で クリスさんはもう暫くすると不妊についての解決策が出来るかもしれないと言ったのだろう、それに期待しよう。まず君が助からないと始まらない と言った


それでも女の子は悩んでいた。ある晩 寝ていると 夢の中に お地蔵さんたちが立っていて、クリスの言ったようにしなさい、彼女はきっと不妊対策も考えてくれる、本格的な発病前に治療できる事自体 稀な事なんだ。と言った。