のら猫の三文小説

のら猫が書いている、小説です。
質問があれば
gmailのnaosukikan
まで連絡ください

新しい子猫たち No.1780

2021-02-21 00:21:10 | 新しい子猫たち 
ただ警告した神之助ではあるが 事態をそれほど深刻とは思ってはいなかった。神之助の関心時は違う事に向いていた


神香 は 勝の 庭 に作った お地蔵さんミュージアム で定期的に 小さなコンサートをしていた。 このお地蔵さんミュージアムは真理が集めた お地蔵が並べていて その中で神香が歌うと、不思議なエコーがつくと 大評判だった


ただ勝の家は 当然 敷地内にあって、敷地内は 全てジブの資産となっていて、名義としては ジブも加わって共同所有資産となっていて所有者としても 勝手に売れない、持ち分権を売るのも 初めにジブに相談する事になっていた


敷地内は 周囲を森に囲まれて それぞれの家の境界線も塀ではなく 木立になっていた。そして敷地内 そのものを警備保障に任せていた。ジブの来客予定も この警備保障に出すのが通例だった。各家も外部からの来客があると 時間と来客者の名前を警備保障会社に提出する


神香のコンサートに来るのも大変、来客者の身元調査が必要と云うコンサートでもあった。

神香の後援会会員と云えども おいそれとは出かけられない。神香の後援会の会員たちには不満が高まっていた。神之助は このコンサートを 神一の簡易スタジオで録音して それを後援会会員に配ろう と考えた。神一と相談して簡易スタジオの隣に 録音テープを再録音できる機械とその部屋を本格的に設置した。神一も時々オリジナルを作って欲しいと頼まれて、これが厄介なのだった。これがあれぱ 相当数作れるのだ


神之助は再生する機械を後援会員の人数 以上 作らせ、神香の後援会会員に配布して、定期的なコンサートをこのテープに録音して配布する事を考えたのだ


そしてこれは大成功した。この特典で後援会会員はいきなり倍になった。後援会会員の会費を上げたのに。世界各地では送られてきたテープでテープコンサートなるものが開催された。限られた後援会会員だけでなく 広くこのテープは見られた。


見ている人には気が付いた人もいた。これはエコーではなく 誰か唱和している。そして感動を盛り上げている。単純なエコーではない。録音でテープを見ていると時々白い影が見える人がいた。見えない人もいるが。お地蔵さんが 歌を応援しているとそのエコーは独特で感動を与えるだった。ただお地蔵さんは誰でも応援する事はなかった。