のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1779

2021-02-20 00:17:25 | 新しい子猫たち 
ただ 神之助のように 稼ぎに稼ぎ 資産を残した人にしてみれば、ここまでの組織を作り上げて 目標達成感が強くなって相場師の心の琴線に触れる事がない限り 相場との距離が出てきた。まして 身内は継げないのがはっきりとしていた。


神之助のビデオは 本当はリトルチャタロウの理想と それを実現した政則の実践 とについての説明ではあるが 常務の睨んだ 通り、神之助の組織内に 見られる驕りと使命感喪失についての 神之助からの強い警告であった。


ジブの管理だけでなく、神子オフィスそして神太郎オフィス にもそれはあった。


神太郎には神二郎と云う後継者はいるが、神二郎は常に理想と現実の乖離に気が付いて、これでいいんだろうか と思っている人で、理想主義の神太郎ではあるが、自分とは まったくタイプが異なり、神太郎路線の後継者とは云いにくい


神子は 身内に組織を継がせる事はもはや考えていない


どうしても 今まで築いた組織の守りになってしまう、そして組織内に漂う ワシらはエライ、儲けているとの驕り との戦いが残るのだ


こうして 神之助のビデオはジブの組織内の幹部たちに見られ、神之助の警告について みんな考えだしていた。リトルチャタロウの理想 について語ったのではあるが 実は自分達の組織についての警告である。使命感喪失と共に 理想を失う 怖さについて 神之助が強く警告しているとみんな判った。


ただ神之助は 判った。神一の簡易スタジオで録音したテープ は 言葉ではなくて 発言した人の心 強く持っている危機感 まで 録音してしまうのだ。