治部一族の悩みは 今や若い奴らの教育だった。香奈をはじめとする長老たちも気にしていた。自然発生的に、人材が出てきたが、ある段階で止まっていた。香奈の家でも正人とか奈津美の後は みんな小粒。小粒であるがみんなオトナシかった。だがその内、尊大な態度を取る奴、正義ブル奴まで出てきたのだ。正義ブル奴は、まだ社会に対するソイツの気持ちがある、今は金融研究所の常務となっている奴は、リトルチャタロウの努力で矯正した。ただ問題は尊大な態度を取っている奴だった。コイツらの矯正に手を焼いていた
この話は敷地内で知れ渡った。
恵の一族にもそんな奴がいて、恵は無理やり ソイツを押し込んだ。恵はある意味悲観していた。神太郎系列とか正人の系列は、頭は元々切れる、大学は全て東大と云う奴らばっかだった。恵の一族のソイツは、有名私大にも入れず、頼み込んで、恵とか教育関係の伝手を持っている人たちの名前とゼニを頼りにして、無名の私大に入れるしかなかった。漢字も読めず、幼児教育として覚えさせた英語はそこそこできる。無知を絵にかいたような割に、人を小馬鹿にした言葉を吐く。コイツをどうする、治部ビル系列の会社に入れるか、倉庫番させるワケにもいかないと悩んでいた。