ソイツは 神一に言われて入ったものの こんな小さい会社の調査のような企画のような部門は、大した奴はいない、自分が好きなように出来ると思っていた
それが誤算だった。この部門にいた奴らはみんな頭は切れた、ただ人との調和に欠けていた、世間を観察は出来ても調和できない奴らだった。今までの奴らも自分と同類のようにコイツを見ていた。確かに頭は切れる、優秀である事は認めていた。ただいいまでの奴らもそこそこ優秀、しかも実社会の経験も積んで、そこそこの業績もあった。それらを帳消しにする程 癖の多い奴ら、自分を過信するあまり、社会とついていけず不遇だった奴らだった。
この調査部門の奴らは、時々 彼の家の猫の部屋に相談に行く、猫たちの調査は優れていた。ただココシロが時々ポツンと云う、一言が、胸に突き刺さる。単なる調査 情報を超えていた。猫の言葉が実感を持って、ソイツラに判っていた。ココシロはそれぞれの経歴を全て知り、どれが社会の冷遇を誘う癖、言動かを知って、それを注意していた。
神一の孫もやがて猫の言葉が自然に判り、ココシロに一言かけられた。それは 治部一族きっての秀才の神一、治部一族の中で香奈の跡目として、みんなに認められていた神太郎の言葉よりソイツの胸にずしんと効いた。